第33鉄 個室じゃなくても楽しいよ! 豪華寝台特急トワイライトエクスプレス杉山淳一の+R Style(3/6 ページ)

» 2010年05月29日 10時30分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

日本で唯一「食堂車のランチタイム」へ

 今回、私と友人はB寝台だった。これも「できればスイート、せめて寝台車……」と、友人が駅に日参して粘り、やっと入手できた貴重な切符。祝日絡みの運行日はとても厳しい。「この日に休んでいこう」ではなく、「切符を取れた日に休もう」という気持ちで臨まないといけないようだ。

 しかし、トワイライトエクスプレスのお楽しみは個室だけではない。B寝台の旅でも十分に楽しめる。なぜなら、この列車には共有スペースがあるからだ。食堂車の隣にロビーカーがあって、天井に届く大きな窓で流れ行く景色を楽しめる。荷物を寝台に片付けたらロビーカーで過ごそう。ロビーカーは日本海の夕日を眺めるというコンセプトで、日本海側の座席は窓に向いた二人掛けが並ぶ。通路を隔てた反対側はファミリーレストランのグループ席のようなソファ。こちらも日本海側をよく見えるようにと、高い位置になっている。おススメはこちらの高い席。琵琶湖がこちらの窓から見えるからだ。トワイライトエクスプレスが走る湖西線は、近畿地方と北陸地方をバイパスするために作られた。高規格な線路で高架区間が多く、町並みや湖がよく見える。

ロビーカーの窓は天井まで回り込んでいる
こちらはB寝台車の一角にある「ミニロビー」

 ロビーカーで待機していると、食堂車からのアナウンス。ランチタイムの始まりだ。札幌行きのトワイライトエクスプレスは、現在、日本の食堂車で唯一のランチタイムが楽しめる。なぜなら札幌発大阪行きのトワイライトエクスプレスは出発時刻が少し遅いため、ランチタイムがなく、代わりにティータイムになっているからだ。

 大人気のランチタイム。私たちがテーブルに案内された頃は琵琶湖を通り過ぎ、峠を越えて福井県に入る頃だった。お目当てのハンバーグセットは売り切れていたが、ビーフカレーに舌鼓。明るい車窓を眺めつつ、単品のサラダをシェアして、食後のコーヒーをゆっくり味わう。メニューはオフィス街の喫茶店と変わらない気がするけれど、緑豊かな動く景色を眺めるていると、なんとも贅沢な気分になってくる。

3日間煮込んでから積み込まれるビーフカレー、1050円

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