コラム
» 2010年05月28日 08時00分 UPDATE

吉田典史の時事日想:ゴーストライターは貧乏? いま原稿料を明らかに (1/4)

ビジネス書の9割はゴーストライターが書いている――。前回の時事日想ではこのことを紹介したが、今回はゴーストライターの“ギャラ事情”を解説。1冊の本で、彼らは一体どのくらいのお金をもらっているのだろうか?

[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」Twitterアカウント:@katigumi


 前回、「ビジネス書の多くはゴーストライターによって書かれている」と書いた(関連記事)。今回は、ゴーストライターが執筆の代価として得るお金について解説したい。私の経験と知人のゴーストライター約20人、主要出版社の編集者30人ほどからの情報をベースにする。

 まず、出版社がゴーストライターにお金を払う場合には、主に3つの方法がある。

1.出版社の原稿買い取り

2.印税払い

3.原稿料+印税払い

 まず(1)だが、これはライターが著者(経営者、芸能人、政治家、コンサルタント、学者など)に代わりに書いた原稿を出版社が買い取ることを意味する。通常、その額は主要出版社で1冊(200ページ前後)80万円〜130万円前後。このくらいの幅があるのは、1冊を書き上げる時間(スパン)が影響している。

 例えば、1カ月後に200ページ(1ページ600字〜1000字ほど)を書き終える場合、スケジュールは厳しい。ライターは、ほかの仕事をキャンセルするなどして書き上げなければならない。出版社としてはそのことに多少、後ろめたいものがあるのか、100万〜130万前後まで額を上げる傾向がある。

 従業員規模が100人を切る中小出版社では、最高が110万円前後。下は80万円。ひどい場合は50万円まで下がる。最悪は40万円。私が調べたところ、例外として130万円というものがあった。これは、著者である経営者の会社(東証1部上場)の株主総会に本を配ることになり、突貫工事で間に合わせようとしたためだ。このライターは、約3週間で200ページを書いた。

 通常、上記の額は、本が発売された数カ月以内に指定口座に振り込まれる。主要出版社は、本の発売日の当月末もしくは翌月末のパターンが多い。中小出版社は、本が発売された2カ月〜3カ月後の末となる。この差は、出版社の財務力の差ともいえるだろう。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

ITmedia 総力特集