米国株の底堅さや為替の落ち着きを好感して買われ、一時大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年05月26日 15時56分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 これまでの展開と少し違う展開となりました。米国市場は軟調ながらも切り返して底堅かったことなどから、買い先行となり、持高調整の売りに押されて上げ幅縮小となる場面もあったのですが、後場になってから再度買いが優勢となり大幅高となりました。まるで前場段階で持高調整の売りが出切ってしまったようで、前場軟調となったものが買われ、堅調だったものが売られるという展開で最後は上げ幅縮小となり、TOPIXは軟調ですが日経平均は堅調となりました。

 相変わらず持高調整の売り買いが中心となっています。アジア株が高いから、とか為替が円高に振れると売られるなどというコメントも見られますが、本日の相場などは目先の需給に振らされているだけで為替もアジア市場もほとんど影響はないと思われます。持高調整の売り買いの中で前場と後場と反対に動く銘柄も多く、これまでの流れが昨日の米国市場での切り返しに見られたように変化したのかもしれません。

 欧州金融不安は根強く、信用収縮の動きはまだ続くのかもしれませんが、ある程度売りも出るものは出た、ということなのかもしれません。商品市況なども軟調となるものが多かったのですが、海運指数や金先物など高いものも見られ、値ごろ感からの買いも入っているのかもしれません。日経平均も9500円水準で下げ止まったとも考えられ、節目での底堅さが見られたことで買戻しも入ってきたのかもしれません。

 日経平均も昨日の相場で9500円を割り込んだとの見方もありましたが、指数の節目などを見るときにはある程度余裕を持って見た方が良いと思います。1円や1銭にこだわり過ぎると「ダマシ」となることも多いのです。同様に「目標株価」などもある程度幅を持たせて見た方がよく、時々アナリストレポートなどに見られる目標株価なども1円2円にこだわる必要はないと思います。100%完璧に先が読めるわけでもなく、細かく当たった、外れたといっても全く意味のないことだと思います。要はいつもこのコラムで述べていますが、潮目の変化に気が付くことや大きな流れをしっかりと見極めることが大切ということなのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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