米国株の底堅さや為替の落ち着きを好感して買われ、一時大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年05月26日 15時56分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9522.66円 △62.77円
売買高 26億3546万株
日経平均先物 9490 円 △50円
売買代金 1兆9139億円
TOPIX 859.00 ▼ 0.82
値上がり銘柄 541銘柄
東証マザーズ指数 378.90 △7.26
値下がり銘柄 1016銘柄
日経ジャスダック平均 1237.56円 △0.21円
変わらず 118銘柄
騰落レシオ 62.96% ▼3.65%

日経平均

米国株の底堅さや為替の落ち着きを好感して買われ、一時大幅高

 米国市場が一時大幅安となった後下げ幅縮小となったことや為替もいったん売られた後切り返したことなどを好感して買い先行となりました。昨日まで大きく売られていた銘柄などを中心に買い気配から始まるものも見られ大幅高の始まりとなりました。ただ、寄り付きの買いが一巡したあとは外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたことや買戻し一巡感から買いが続かず見切売りに押されて上げ幅縮小となりました。ディフェンシブ銘柄として食品株や医薬品株、電力株などは値持ちが良かったのですが、ハイテク銘柄などが売り直されて軟調となり指数の足を引っ張る格好となりました。

 後場に入ると再び買い直されて大幅高となりました。前場売り直されたハイテク銘柄などが切り返し、値持ちのよかった食品株や医薬品株が軟調となるなど、目先筋の持高調整のような動きになりましたが、小売株など値持ちの良い銘柄もあり、指数は朝方の水準まで戻りを試す動きとなりました。米FRB(連邦準備理事会)議長や日銀総裁の講演は特に材料視されませんでしたが、米国での超低金利政策が継続するとの見方もあり市場で好感する動きもあったようです。最後は上げ幅を縮小し、堅調という水準でしたが、持高調整の売りもある程度出尽くしたのか、日経平均が節目と見られる水準で下げ止まったことで買戻しが入ったのかはわかりませんが、昨日までとはちょっと雰囲気が違っていたようです。

 小型銘柄も売り一服となり、底堅い堅調な展開となるものが多く見られました。日経ジャスダック平均は小幅安となったのですが、東証マザーズ指数は大幅高となりました。先物はまとまった売り買いは散発的に見られましたが昨日のように売り叩く動きはほとんどなく、底堅さが見られるところではまとまった買いも入り指数を支え、押し上げる要因となったものと思います。ただ、あくまでも散発的な買いに過ぎず、買いが入る場面では指数が押し上げられるものの上値も限られました。

 信用収縮の売りが一服となると買戻しや値ごろ感からの買いも入り指数も押し上げられるようです。買い一辺倒となるほど確信を持った買いは見られないのですが売られすぎ気分も強く、底堅さがちょっとでも見られると買戻しを急ぐ動きも出るようです。日経平均は節目と見られる9500円水準で下げ止まりましたが、まだまだ底入れ感が出るという水準ではなく、持高調整の売りが止まったという確認ができるまでは早め早めの利益確定売りに上値を押さえられてしまうのでしょう。9500円水準での底値固めとなるのかどうかが注目されます。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 ようやく下げ渋りとなりましたが、しっかりと反発するでもなく「孕み足(はらみあし)」となりました。「孕みは放れにつけ」ということで、昨日の高値を抜けば戻りを試す展開となり、安値を割り込むとさらに下値を探ることになりそうです。RSIも下落は続いているものの、底値圏にあり、ストキャスティックスは底値圏にあるので、戻りを試す展開になる可能性が大きそうですが、下に放れてもそこが「セリングクライマックス」となるのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 日経平均よりも弱い形ですが、明日の相場で大きめの陽線となれば、「三川」の形での底入れとなる可能性が強まります。RSIもストキャスティックスに続き底値圏にあり、反発となって来るのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 下値を確かめながらのもみ合いとなって方向感のない展開です。下値固めという雰囲気ですが、RSIもストキャスティックスも下げ切らないうちに反発となって来そうですがまだ下値余地があるだけに下値を確かめるような動きはまだ見られるものと思われ、遅行線が雲の中で動くことになりそうです。

銘柄ピックアップ

金融不安は根強いものの金融規制強化懸念が薄れて堅調

シチズンHD(7762) 523 △10

 発光ダイオード(LED)の国内生産能力を2割増強すると新聞で報じられ、収益拡大期待から買われ、最後は上げ幅縮小となりましたが、一時大幅高となりました。外資系証券が「買い推奨リスト」に採用したことも好感されたようです。

東 芝(6502) 447 △4

 米国株の底堅さや米国のウラン濃縮会社への出資を発表したことが好感されて買い先行となりました。寄り付きの買いが一巡した後は持高調整の売りに押される場面もあったのですが、後場に入ってから買い直されて堅調となりました。

ブラザー(6448) 976 △48

 昨日の引け後に2010年4−9月期の連結純利益が前年同期比2.1倍となる見通しと発表、従来予想を大きく上回る上方修正を素直に好感する買いが入り大幅高となりました。

関西電(9503) 2122 △8

 年初来安値を更新する銘柄が多いなかで、円高や景気動向に影響の少ない銘柄として買われ年初来高値更新となりました。原油価格の下落などを好感する買いも見られ、後場に入り上げ幅を縮小したものの堅調となりました。

JFEHD(5411) 2902 △15

 2011年度までの2年間で出資と設備増強に約7000億円を投資する、と新聞で報じられたことやここまで売られた銘柄を買い戻す動きから堅調となりました。

三洋電(6764) 129 △3

 後場に入ってから大幅高となりました。前場の引け後にイタリアの大規模太陽光発電所に大型の太陽光発電システムを導入すると発表したことが好感されて値ごろ感からの買いも入り堅調となりました。

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