そして最後の空間では柳原照弘氏の家具が展示された。「HALFWAY」はブロックを積んだようなソファ。日本的な直線の交差で構成された空間によく似合い、大きさや張り地の色の組み合わせも指定できる。
驚くのは座った時の、硬い張り。沈み込みすぎず、硬すぎない、適度な安定感はカリモクの工場の「張り」の実力を示した。
また板材を美しく積むように組んだ「PILE」は、パレットのようなモジュール家具。板材の質、木組みの繊細さ、いずれも日本らしい木工の技術を感じさせる。サイドにスリットがあるので、何段にも重ねると、書類やシャツを入れるシェルフにもなる。
そのほか、スツールやコート掛けなど、気負わない、ふだんの暮らしにすぐにでも使えそうな実用的で美しい家具がそろった。節や変色、材の細さなど、間伐材ゆえの欠点もほとんど気づくことがなく、うまくデザインに溶け込んでいた。
奇抜なデザインで驚かそうということではない。誠実に暮らしの中にあり続けた、カリモク家具の本質をうまく表現した展示となったのではないだろうか。
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