欧州金融不安が緩和、米国金融規制強化懸念も薄れて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年05月24日 08時38分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10193.39△125.38

<NASDAQ>2229.04△25.03

<為替:NY終値>89.97-90.03

欧州金融不安が緩和、米国金融規制強化懸念も薄れて大幅高

 ユーロに底堅さが見られたことやドイツ議会の関連法案可決から欧州金融不安が一服したことに加え、米上院で可決された金融規制改革法案も想定の範囲、更に緩和されるのではないかとの思惑もあり、大幅反発となりました。ただ、朝方は金融規制強化懸念が拭い切れずに信用収縮から売りが嵩んで、一時ダウ平均が10000ドルを割り込むなど相変わらず落ち着かない相場展開となっています。ダウ平均が10000ドルを割り込んだことで目先的な達成感や週末ということで手仕舞いの買戻しもあったものと思います。

 週末に大幅高とはなったものの週間では指数が4%の下落となりました。ギリシャ問題に端を発した欧州金融不安も金融規制強化懸念となり、米国自身の金融規制強化懸念や中国の金融引き締め懸念もあり、世界的な景気減速につながるとの動きや信用収縮の動きでファンド筋などの手仕舞い売りが嵩んで大きな下落となりました。これらの下落要因は一段落したとは言え、解決したわけでもなく、引き続き金融規制強化懸念、景気への影響などを見極めながら下値を確認するような動きとなって来るものと思います。

 個別には金融規制が緩和されるのではないかとの見方から買戻しも交えて金融株が買われ、JPモルガン・チェースやシティグループ、バンク・オブ・アメリカなどに銀行株やアメリカン・エキスプレスなどの金融株が軒並み大幅高となりました。景気減速懸念も一服となったことでキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)が堅調、アップルやIBM、インテルなどハイテク銘柄も堅調となりました。原油や金の先物価格は引き続き軟調でしたが、ニューモント・マイニングなどの金鉱株やエクソン・モービルなどの石油株も買戻しも入り堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は欧米で金融規制強化を懸念して株も為替も売られたことなどを嫌気して売り先行となりました。日経平均はあっさりと10000円を割り込んで、下値を試す動きとなりました。9700円を割り込む場面では底堅さも見られ、週末ということで手仕舞いの買戻しも入り下げ幅縮小となりましたが、戻り切らず大幅下落となりました。持ち高調整の売り買いも出ていたようで、ここまで売られていたユーロ安の影響の大きい銘柄の一角が堅調となっていました。

 週末の米国市場が大幅反発となったことや為替も落ち着いたことから週明けの日本市場も堅調な展開となりそうです。ただ、為替も落ち着いたとは言え、まだ「円高」とされる水準であり、週末の米国市場が大幅高と言っても商品市況などは軟調となり信用収縮懸念は残っており、戻りも限定されるものと思います。好決算にもかかわらず、売られすぎた銘柄などには買い戻しも交えて底堅い堅調なものも見られるのでしょうが、底堅さを確認するという段階ではないかと思います。

 10000円をあっさりと割り込んで下値を試す展開となっています。下値の節目は9500円〜600円と見られ、まだまだ下値を確かめる展開となりそうです。9800円〜900円水準も節目となっており、本日も9800円台で引けて来るようであれば、為替次第では底堅さも見られ、底入れとなる可能性もありそうです。10200円台を抜けて10300円を超えてこないと底入れ感も出ないのでしょうが、金融規制強化の影響が一段落すれば、売られすぎた銘柄の反発もあって、底入れ完了となってくるのでしょう。

本日の注目点

◇5月の金融経済月報(日銀、14:00)

◇4月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会、14:00)

◇5月の月例経済報告

◇4月の米中古住宅販売件数

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