スイスの老舗時計ブランド「ロンジン」の1940年代製。ロンジンのポケットウオッチといえば、芥川賞と直木賞の正賞として贈られたり、アインシュタインが愛用していたなど話題も豊富だ。
このアンティークモデルは、ホワイト文字盤にアラビア数字のインデックスを組み合わせた上品なオープンフェイス。文豪を気取って時計と同色のチェーンを付けてベストや上着のポケットに忍ばせるのも面白い。
こちらは「シチズン」の1950年代製。アラーム機能を持つユニークなポケットウオッチだ。
12時にあるリューズはアラーム用のぜんまいを巻き上げるもので、一段引き上げてアラーム針(写真で4時を指針)を操作する。1時と2時の間にあるリューズが時計用のぜんまいを巻くもの。
ミラー仕上げのツートーン文字盤は、とても50年以上前の国産時計とは思えないモダンで洗練されたデザインだ。
時計裏蓋にはアラーム音を増幅・共鳴させる穴が開けられている。ムーブメント内で振動する部品とシルバーの裏蓋内側にある共鳴用の小さな突起が接触して音が出る。音色はアブラ蝉の鳴き声に似て音量も大きいから、会議中や映画館の中で鳴り出したら冷や汗ものだ。
サラリーマンのかたわら、アンティークウオッチ収集に身を投じ、数奇な人生を歩む。近頃はキャラクター系クロックにまで手を広げ、ますますドロ沼にはまっている、業界屈指のゼンマイ兄貴(ほんとはオヤジ)。
新作腕時計の話はもちろん、これまでに筆者が、時間と脚力とわずかなへそくりを使って手に入れてきた古今東西の時計の数々についても語ります。博物館モノから最新モデルまで、なるほどウンチクネタを半分、トホホなズッコケ話半分くらい織り交ぜておとどけする予定です。
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