再編が進んでいると感じる業界、「小売」「金融」などが上位に

» 2010年05月13日 17時51分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 2009年度にはファミリーマートとam/pmが合併、破談にはなったがキリン・ホールディングスとサントリーの合併が話題になるなど、さまざまな業界再編のニュースがあった。業界再編の背景には、グローバル化や消費者の嗜好の変化などで競争環境が厳しくなっていることがあるが、企業はその動きをどのように見ているのだろうか。

 帝国データバンクの調査によると、2009年度の業界再編(合併や事業譲渡、業務提携など)について、これまでの進展度合いを尋ねたところ、「進んだと思う(やや進んだと思う含む)」は20.8%だった。業界別に見ると、「進んだと思う」が多かったのは「小売」(37.8%)や「金融」(35.8%)で、逆に最も少なかったのは「建設」(9.7%)だった。

業界再編の進展度合いについて(出典:帝国データバンク)

 自社が属する業界の再編が主にどのような理由を背景としているのか聞くと、前年調査で2位だった「価格競争の激化」が51.6%で1位にランクアップ。以下、「市場の縮小」(49.8%)、「収益性強化」(20.2%)、「資金力対策、購買力強化対策、自己資本調達の強化」(18.7%)、「規模の利益の追求」(16.3%)が続いた。

 業界別に見ると、「価格競争の激化」は「小売」(59.3%)や「建設」(56.4%)、「市場の縮小」は「建設」(57.5%)や「小売」(55.1%)、「収益性強化」は「金融」(30.9%)や「小売」(24.8%)で割合が高かった。

 具体的な声を見ると、「市場が縮小しており生き残りをかけて再編が行われる」(建設機械製造、山口県)、「過当競争が強まり一定の規模が必要になってきた」(化学製品卸売、北海道)、「グローバルな戦略を選択すると再編は急務」(産業用電気機器卸売、大阪府)と業界再編が加速するという意見が寄せられた一方、「オーナー経営や中小企業が圧倒的に多いため再編という雰囲気にならない」(化学品製造、東京都)といった意見もあった。

 アンケートによる調査で、対象は全国1万772社。調査期間は4月20日から30日。

業界再編の背景(出典:帝国データバンク)

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