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» 2010年05月24日 08時00分 UPDATE

筆者の経験上、“普通二輪は小型に限る”:125ccの原付バイクで行こう! (1/2)

低価格、低維持費、それでいてスタイルよし、走りも十分。そんな夢のようなバイクがあるのだろうか。それがあるのです。

[加藤宗肖,Business Media 誠]

 喧騒(けんそう)の毎日、外回りの営業中、横断歩道での信号待ち。目の前を颯爽(さっそう)と通り過ぎる1台のバイク――「ああ、バイクは気持ち良さそうだな」。

 バイクに手を出すきっかけはさまざまだ。例えば、筆者の場合。田舎ゆえに自転車での行動範囲に限界を感じた高校時代、原付の免許を取得した。

 初めてのバイクは、マンションのお隣さんから5000円で譲ってもらったボロボロのスクーター(ホンダ「Dio」)だった。いま思えば、高校生にとっては大金だったが、免許取得費用とバイク代、保険料を含めても3万円も掛からなかった。それでいて、ガソリン1リットルあたり20キロ以上は走る。

 何がいいたいのかというと、高校時代の筆者でも免許を取得して、スクーターを手に入れられたほど、バイクに乗るのはお手軽ということだ。ご存じのとおり、普通自動車の運転免許証を持っていれば、50ccの原付を運転できる。あとはバイクを買いさえすればよい。

 とはいえ、最初の一歩が踏み出せない人が多いことだろう。「どんなバイクを買えばいいのか」「そもそもバイクの種類がよく分からない」「交通ルールもよく分からない」「そもそもバイクって売れてないんじゃないの?」などなど、疑問が沸くばかりだ。

 そこで本稿では、初心者にオススメの小型自動二輪車(原付二種)の特徴について紹介したい。バイクに乗ることの苦楽を中心に、交通ルールや運転免許の取得、バイクの維持費などから、お話していこうと思う。

筆者の経験上、“普通二輪は小型に限る”

 話を高校時代の筆者に戻そう。ボロバイク入手後、うれしくてどこにでもバイクと出かけた。「風とともに走る」とはバイク乗りがよく口にする言葉だが、本当にそのとおりだった。スロットル(アクセル)を開ければ、それだけ風が全身に当たり、自分が風になったかのような錯覚に陥ることに驚いた。

 しばらくすると、周囲の友人たちもバイクを手に入れた。そこで、2時間程度で行けそうな目的地を設定し、親の車でしか行ったことのない場所へ自分たちだけで行くという大冒険が始まる。

 ガソリンを満タンにして早朝に出発。住み慣れた町を出て……そこまではよかった。国道1号線に出ると、容赦(ようしゃ)のない交通戦争に巻き込まれた。大型トラックだけでなく、軽自動車ですら猛スピードで走る。

 流れに乗らんとすべく、スロットルをさらに開けようとしたところで気が付いた。「原付の制限速度は30キロ」。目的地まで走る国道の制限速度は60キロだ。周りの自動車が、自分たちの2倍のスピードで走っていることは恐怖以外の何物でもない。

 すぐに第2の恐怖が出現した。その名は「キープレフト」。原付は車線の左端を走らなければならない。

 大型トラックが多く走るような幹線道路は、車線の端に“わだち”がある。雨水や砂が溜まったくぼみは、バイク乗りにとってデスゾーンといえる。しかし、原付である以上は、どんな状況であっても「キープレフト」しか選択肢はないのだ。

 戦々恐々と走ると第3の恐怖が現れた。その悪魔の名は「二段階右折」。筆者が住んでいた町には大きな交差点がなかった。ところが、1号線には4車線もある大きな交差点があり、人生初の二段階右折に直面したのだ。

※二段階右折:三車線以上の交差点や、標識で原付の二段階右折が定められている場合、いったん交差点左奥まで進入し向きを変え、信号が変わったら直進して右折をしなければならない。

 免許を取るために勉強した二段階右折の方法、右ウインカーを出したまま直進、交差点の左奥を目指す。交差点の真ん中まで来たところで、ダンプカーからクラクションを鳴らされた。大きな音に驚きハンドルがぶれる。冷静に考えれば、青信号で左端のレーンを右ウインカーのまま減速することは、ウインカーの消し忘れを疑う。

 そんなこんなで、目的地までの所要時間は、5時間をゆうに超えた。もちろん、観光どころではなく、風になるどころか星になるところであった。そして、一息付いた後にはデスロードを戻らなければならない。今度は日の落ちたナイトセッション、3つの恐怖+視界不良の恐怖は想像に難くないところであろう。

 そして、家路に着くころには、皆の意識は固まっていた。「そうだ、普通自動二輪免許を取ろう……」。

 初めてのツーリングで感じた3つの恐怖は、排気量が50ccを超えるバイクであればなくなる。しかし、そのためには排気量400ccまでのバイクに乗れる「普通自動二輪免許」を取得しなければならない。

do_bike100513_03.jpg VESPA「LX125ie」

 ということで、友人4人と自動車学校へ入校し、クラッチ操作の実技教習に難儀しつつも普通自動二輪免許を取得した。愛着のあったボロスクーターを解体屋に引き取ってもらい、そこにあった古い125ccのベスパを7万円で買って修理して乗り始めた。2台目のバイクだ。

 それから1年もすると、仲間たちに“異変”が起こった。後部座席にいる、ヘルメットから長い髪をなびかせた存在―――そう、彼女だ。原付以外のバイクに与えられた特権「免許取得後1年が経過すれば、2人乗りが可能となる」。

 しばらくは、映画『さらば青春の光』の主人公ジミーのように、ベスパとともにモテない日々を過ごしていた筆者だったが、大学時代に彼女ができると、2人乗り可能という恩恵を享受しまくった。

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