コラム
» 2010年05月10日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:化繊の悲しさ――“お土産進化論”から見た経済格差 (1/3)

高いもの、価値があるものは、国や時代によって異なります。そのため、“お土産”に選ばれるものの違いから、その社会の背景や経済構造が浮かび上がるもの。将来の私たちが“価値”を認めるものはどんなものになるのでしょう?

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年8月2日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 北朝鮮の人が仕事や応援団などとして韓国やそのほかの先進国を訪問すると、お土産に何を買って帰ると思いますか?

 デジカメなどは買いません。値段が高すぎるし、国に持って帰ってもPCもプリンタも(下手すると乾電池も)ないのに楽しめないでしょう。だから彼らは、いわゆる外国人観光客が秋葉原でお土産に買うものとは全然違うものを買って帰ります。

ah_ame.jpg 出典:全国飴菓子工業協同組合

 以前見た「日本人妻一時帰国」のニュースで、北朝鮮の日本人妻たちはスーパーであめを大量に買っていました。これは、帰国後に大勢の人にお土産を渡す必要があるからでしょう。あめは日持ちもしますからね。

 日本でも昔の海外旅行に慣れていない時代だと、「隣近所」「職場の全員」「取引先」にと大量のお土産を買っていましたよね。行く前に餞別(せんべつ)をもらったりもしますし。

 でも、海外旅行が珍しいことではなくなると、お土産は親しい人にしか買ってこなくなる。そして頻繁に海外に行くようになると、親しい人にさえ買ってこなくなります。世田谷に住んでいて、渋谷や新宿に行くたびに誰かにお土産を買ってきたりはしませんよね。それと同じです。行くことに特別な意味がなくなるとお土産という慣習が消えてしまう。

 というわけで、お土産進化論としては、

(1)多くの人に配ることができるものを買う。

(2)特定の人だけに、個別に選んだ高いものを買う。

(3)何も買わない。

となるわけです。

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