連休中の海外株安、信用収縮の動きを受けて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年05月06日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10695.69円 ▼ 361.71円
売買高 25億8590万株
日経平均先物 10680円 ▼370円
売買代金 2兆0264億円
TOPIX 956.72 ▼30.32
値上がり銘柄 135銘柄
東証マザーズ指数 490.35 ▼14.40
値下がり銘柄 1523銘柄
日経ジャスダック平均 1335.00円 ▼12.64円
変わらず 18銘柄
騰落レシオ 104.16% ▼15.12%

日経平均

連休中の海外株安、信用収縮の動きを受けて大幅下落

 日本市場が連休中に海外市場、特に米国市場が大幅下落となったことから、売り先行となりました。為替も対ユーロでは大幅に円高となり、輸出関連銘柄などを売り急ぐ動きとなったものと思います。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も大幅売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡しても買い戻しも限定的となり、戻りの鈍い展開となりました。好決算を発表した銘柄の一角は堅調となったものの、欧州の金融不安ばかりではなく、中国の金融引き締め、米国での金融規制強化の動きもあり、好決算に素直に反応できないものも多く見られました。

 後場も連休の谷間とあって積極的な売り買いに乏しい中で手仕舞い売り、見切り売りに押されるものが多く、安値水準でのもみ合いが続きました。三つの「金融」懸念に加え、北朝鮮の問題や普天間をめぐる政局の混乱も予想され、企業業績は回復を示しているものの、そのトレンドが続くとの確信が持てず、早め早めに利益を確保しようと言う動き、手仕舞う動きとなっていったん調整感が強まるとますます下げを加速することになるのでしょう。

 小型銘柄も見切売り、手仕舞い売りに押されるものが多く、東証マザーズ指数は大幅下落、日経ジャスダック平均も大幅安となりました。先物は朝方は持高調整の売り買いにヘッジ売りもかさんでまとまった売り買いも見られましたが、その後はまとまた売り買いもほとんど見られず、散発的な手仕舞い売りや買戻しが見れらるに過ぎず、大きく指数の方向感をだすような場面はありませんでした。

 未だ連休の谷間と言うことで、決算発表に反応しながらの押し目買いなどは見られず、目先筋の持高調整などが中心となっていたようです。好決算を発表しながらも中国での、欧州での、そして米国での先行きに対する不安から積極的に買い上がるような動きも限られ、周りの銘柄への波及もほとんど見られず、「好決算発表銘柄」も相場の柱とならず、買い手に乏しい中で物色対象も絞りきれないという感じです。過熱感が薄れる水準で値幅整理もそろそろ「いいところ」ではないかと思われ、好決算発表銘柄などから底堅さも見られるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線は日々線を下回り調整局面となりました。RSIもストキャスティックスも落ち着かず、中途半端な位置にあるのですが、日々線が雲にサポートされて底堅い展開となりそうです。日々線が雲の中に突っ込む場面があっても遅行線が基準線にサポートされて日々線が雲の中で強含みとなって来るのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が日々線を割り込んで来ました。RSIやストキャスティックスはまだ下値余地もあり、遅行線が日々線に絡みながら強含みの推移となるのか、いったん日々線が雲のサポートを確認するまで調整となるのか、いずれにしてもしばらく上値の重い展開となりそうです。

円相場

NYダウ

 RSIには上値余地もあったのですが、ストキャスティックスが高値圏からの調整を示唆しており、調整となりそうです。遅行線と日々線の高値の日柄が一致(「天−天」一致)となる前に遅行線が日々線のサポートを確認するような展開となっています。日々線がここで基準線にサポートされるかどうかが注目され、基準線をあっさりと割り込むようであれば、一気に雲のサポートを確認するような展開となりそうです。基準線にサポートされれば底堅さを確認しつつ過熱感を冷ますような日柄調整となるのでしょう。

銘柄ピックアップ

連休の谷間で決算動向に反応しても動きは限定的

コマツ(6301) 1808 ▼98 、 日立建(6305) 1910 ▼110

 売り気配からの始まりとなり、寄り付きの売りが一巡した後も戻りは鈍く大幅安となりました。為替が円高に振れたことや中国での金融引き締め懸念が嫌気されて見切り売りに押されました。

ソニー(6758) 3160 ▼110

 連休の間に2010年3月期の連結業績で営業損益が2期ぶりに黒字となったと新聞で報じられたのですが、米国株安や円高を嫌気する動きに押されて軟調、約2カ月ぶりの安値水準となりました。

DENA(2432) 815000 △46000

 連休前の30日の引け後に2010年3月期連結決算を発表、純利益が過去最高を更新したことが素直に好感されて買われ大幅高となりました。今後の成長性を期待し、総じて主力銘柄が売られる中で、幕間つなぎ的に買われた面もあるものと思います。

三菱商(8058) 2123 ▼121

 連休中の資源価格の下落などを嫌気する売りに押されて大幅下落となりました。中国の金融引き締め懸念から資源需要がさらに伸び悩み、収益悪化が懸念されるとして売り急ぐ面もあったものと思います。

ユニチャーム(8113) 9510 △370

 指数が大幅安となるなかで上場来高値更新となりました。ペット用品子会社のユニ・チャームペットケア(2059:監理)の全株取得を目指しTOB(株式公開買い付け)を4月30日に発表、成長が期待されるペット用品の事業強化と同時に発表された株式分割を好感する買いが入り大幅高となりました。

TDK(6762) 6090 △20

 ハイテク銘柄が円高などを嫌気して軒並み大幅下落となるなかで、底堅い堅調な展開となりました。連休前に発表した2011年3月期の業績見通しが市場予想を上回ったことかが好感されて、値動きの良さに注目した目先筋の買いも集めて堅調となりました。

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