また、あえてコミュニケーション成立比率の低い人たちと付き合うと、視野や世界が広がるというメリットがあります。
ちきりんは“社会派系”ですが、一時期“芸術家系”の人たちと付き合っていた時があります。彼らの生き方や考え方はちきりんのそれとはまったく違う次元のもので、お互いに分かりあうということはあまりなかったと思います。コミュニケーション成立比率はとても低かったでしょう。
でも彼らと付き合っていた数年間は、ちきりんにとってとても貴重な期間でした。なぜなら、人は普通にしていると「自分とコミュニケーション成立比率が高い人たち」を選別して、その人たちとばかり過ごすことになるのです。友達も少しずつ(お互いに)選別されていくし、仕事だってこの比率が高い人の多い会社を選びますよね。でも、そうしていると世界はどんどん狭くなります。
コミュニケーション成立比率が低いというのは、“世界観が違う”ということです。“常識とか考え方のベースが違う”とも言えます。そういう人と付き合うことで、今まで知らなかった違う世界をのぞくことができ、思ってもいなかった体験ができることがあります。
また、コミュニケーション成立比率の高い仲間とだけ付き合っていると、自分が理解できない人や、自分の言うことを理解しない人に対して、「あいつは頭が悪い」とか「理解力がない」、もしくは「わけの分からんやつだ」と切り捨ててしまいかねません。そんなことをしていたら余計世界が狭くなります。未知の世界との扉を閉じてしまうのはもったいないことです。
というわけで、周りの人と自分のコミュニケーション成立比率を意識的に考え、比率が低い人と付き合う時には「どんな工夫をすればよいか」と考えてみてはいかがでしょう。また、あえてその比率が低い人の世界に、時々は自分から足を踏み入れてみて“違う世界”を体験してみるのもよいかもしれません。
そんじゃーね。
関西出身。バブル最盛期に金融機関で働く。その後、米国の大学院への留学を経て現在は外資系企業に勤務。崩壊前のソビエト連邦などを含め、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。
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