<NYダウ>11167.32△122.05
<NASDAQ>2511.92△40.19
<為替:NY終値>94.03-94.09
日本市場が休日の前に比べると指数は大幅高となり、休日前の急落の大半を取り戻す格好となっています。欧州での「格下げラッシュ」は止まらず、一方でブラジルの利上げに見られるように新興国の経済の拡大は続いており、相殺して世界的な景気回復を織り込むように堅調な展開となっています。リスク許容度も米国での金融引き締め懸念が薄まったことで大きく低下することもなく、投機的な資金の流れもある程度は確保されそうだということで市場に安心感も出ているものと思われます。
欧州の金融不安はまだまだ続きそうですが、資金の流れとしては欧州に代わって新興国などの台頭で代替出来るとの見方となっているのかもしれません。米国自身の金融引き締め=出口戦略や金融規制強化の懸念が薄まれば、欧州での資金の滞りは代替がきくということなのでしょう。米国内の問題で見ると投機的な動きが大人しいことからインフレ懸念はなく、実体経済の回復、企業業績の回復を織り込む格好で、かつ超低金利が続くことで実体経済での資金の流れが確保できているということなのでしょう。
個別には1−3月期決算が最終黒字となったモトローラが大幅高、HP(ヒューレット・パッカード)が買収すると伝えられたパームも大幅高となり、連れてアップルも堅調となりました。HPは財務負担が嫌気されて軟調となり、利益見通しが市場予想を下回ったプロクター・アンド・ギャンブルが軟調、同様に市場予想を下回る決算を発表したエクソン・モービルも原油価格が堅調にもかかわらず売られました。イーストマン・コダックは1−3月期決算が黒字に転換したものの本業の不振が続いているとして売られ大幅安となりました。金融株は超低金利継続からリスク許容度の上場が期待されて買われ、アメリカン・エキスプレスが大幅高、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、シティグループなど銀行株も高く、指数を押し上げる要因となりました。
休日前の日本市場は欧米の株価急落、信用収縮懸念を受けて大幅下落となりました。好調な決算を発表する銘柄も多かったのですが、持高調整の売りや手仕舞い売りに押されて大きな下げとなりました。大型連休を控えて手仕舞い売りを急ぐ動きもあったものと思われ、好決算などへの反応も限定的となっていました。為替も円高に振れたことで輸出株が売られ、前日までの大幅高の反動もあって下げがきつくなったものと思います。
日本市場が休日の間に米国市場が大幅高となったことから、日本市場も休日の谷間とは言え堅調な展開が期待されます。休日前も節目と見られる水準での底堅さも確認されており、今度は景気回復、企業業績の回復が鮮明になるなかでどこまで織り込んで行けるのかどうかと言うところです。決算発表も本格化しており、好決算を発表しながら売られている銘柄や好決算が期待される銘柄も物色されて来るものと思います。
経済指標の発表も多く、影響はありそうですが、日経平均は10800円〜900円水準での底堅さも確認され、戻りを試す展開となりそうです。とりあえずは11000円水準を抜けて、今度は11000円水準での底堅さも見られるのではないかと思います。休日前の急落の全てを戻すと言うわけには行かないのでしょうが、好決算を織り込む格好で、11300円〜400円の節目、TOPIXでは1000ポイントの水準を目指す動きとなって来るものと思います。
◇3月の消費者物価指数(総務省)
◇3月の家計調査(総務省)
◇日銀政策委員会・金融政策決定会合
◇白川日銀総裁会見
◇4月の日銀展望リポート
◇3月の失業率(総務省)
◇3月の有効求人倍率(厚労省)
◇3月の鉱工業生産指数速報(経産省)
◇4月のユーロ圏インフレ率
◇3月のユーロ圏失業率
◇1−3月期の米GDP(国内総生産)速報値
◇3月期決算:富士通(6702)、村田製作所(6981)住友商事(8053)、大和証券G(8601)、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、全日空(9202)、東京電力(9501)
◇1−3月期決算:韓サムスン電子、米シェブロン
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