決算の内容よりも決算発表後の値動きに反応する展開だが持高調整の買戻しもあって堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年04月27日 16時23分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 昨日の大幅高の反動もあって売り先行となりました。決算発表が本格化するなかで好調な業績を示すものも多かったのですが、連休や海外での重要なイベントを控えていることもあり、積極的に買い上がるというよりは利益を確保しようと言う動きが強く、指数は軟調となったものと思います。輸出関連銘柄は業績上振れ期待も強いことから買われるものも多かったのですが、金融株を中心とした内需銘柄は昨日の反動などから売られるものが多く、指数も軟調となりました。

 世界的な景気回復が期待される中で、日本企業の決算も回復が顕著になっています。戻り切らないものも多いのですが、業績面での不安が少なく、少なくとも輸出株に関しては新興国での需要拡大から業績上振れ期待も強く、好決算を発表した銘柄に追随するような動きになるものも見られました。昼の時間帯や午後の取引時間に発表された決算も好調なものが多く、決算が好調にも関わらず売られていたような銘柄にも買い戻し、買い直しも見られました。

 業績回復を織り込むように底堅い堅調な展開となりました。持高調整の売り買いや目先筋の売り買いが中心となっており、決算の内容そのものよりも決算発表した後の値動きで買われるのか売られるのかが決まっているようです。従来予想や市場予想との違いで目先筋が売り買いをすることも多く、「予想外」の決算や業績面から見て割安か割高かなどということはあまり株価の動きには影響しないようです。

 大型連休を控えて積極的に買い上がる、あるいは売り急ぐ動きとはなり難く、相変らず目先筋や持高調整の売り買いが中心となっているので、業績発表もその内容云々よりも決算発表の株価への影響を気にする動きが強くなっているようです。ただ、こうした目先筋の動きや持高調整の動きは本来の業績回復を織り込む動きと違う方向に振れる可能性も高く、注意が必要です。決算での売り買いではなく、業績での売り買いを考えるのであれば目先の動きに慌てることなく、しっかりと決算動向を分析してから売り買いしても遅くはないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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