米国金融規制懸念、中国の金融引き締め懸念が薄れ大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年04月26日 16時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 先週は月曜日から大きく売られて始まりましたが、今週は逆に大きく買われて始まりました。ここまで慌てて買い上がらなければならないような理由も見あたらないのですが、これまで懸念されていた欧州での金融不安、米国での金融規制、中国での金融引き締め懸念が一気に薄れたことから、円安を好感する動き、業績上振れを好感する動き、中国での更なる経済拡大を好感する動きがあいまってほぼ全面高となり大幅高となりました。

 世界的な景気回復は見られるものの、正式には何一つ悪材料として影響も考えずに懸念だけで売られたのが先週ならば、今週は初めから懸念材料が何一つとして正式に解決されたわけでもないの懸念の緩和だけで大きく買われたということなのでしょう。売り買いの要因は結果だけで動くものではないことはわかってはいるのですが、これだけ「懸念」や「懸念の緩和」、しかも海外要因に振り回されてもいいのかという疑問も出てきます。

 実際には持高調整などまとまった売り買いに振らされることが多いということなのでしょうが、中途半端にこうした売り買いやニュースなどの振らされると高値を買い、安値を売ることになると思います。円安に振れたことを理由にしている向きも多いようですが、米ドルでは一気に1円も2円も動いたわけでもなく、円安傾向にあったこともあり、特に慌てる必要もないと思います。為替が動いたから慌てたわけではなく、株価が動いたことに慌てたということなのでしょう。

 以前、先物が現物の株価を振り回しているということが問題視されたこともありますが、市場参加者が増えないことには先週や今週の相場のように目先の需給だけ、一部のまとまった売り買いや持高調整に振り回されることになってしまうのでしょう。ただ、先物主導であれ、持高調整の売り買いが主導であれ、最後には買われ過ぎれば売られ、売られ過ぎれば買われる、売られれば売られすぎるところまで売られ、買われれば買われ過ぎるところまで買われるものなのです。目先の振れを気にすることなく、大きな流れをしっかりと見極めて、目先の需給に振らされて右往左往することがないようにしたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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