欧州金融不安も薄らぎ、住宅関連指標の好転など景気回復を織り込み堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年04月26日 08時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11204.28△69.99

<NASDAQ>2530.15△11.08

<為替:NY終値>93.92-93.98

欧州金融不安も薄らぎ、住宅関連指標の好転など景気回復を織り込み堅調

 週末の米国市場は朝方発表された新築一戸建て住宅販売件数が大幅に伸びたことやギリシャがIMF(国際通貨基金)などに支援を要請し、金融不安が薄れたことなどから買い先行となり、堅調となりました。金融不安が薄らぎ、信用収縮懸念が和らいだことで原油先物価格も上昇、耐久財受注は予想に反して減少となったものの民間設備投資動向は堅調となっており、リスク許容度の上昇もあり景気回復を織り込む格好で買いが入ったものと思われます。

 企業決算も好調なものが多いことなどから週末の手仕舞いの買戻しも見られ、また、製薬大手が医療保険改革法が収益に与える影響を発表、収益の重荷になるとの過度な警戒感が薄れたことも好感されました。金融規制強化懸念などは残るものの、最後まで回復の遅れていた住宅関連の指標が好転したことで、「業績相場」への移行が確実視され、今度は金融緩和の出口戦略が取り沙汰されるまで堅調な地合いが続くということなのでしょう。

 個別には医療保険改革法が収益に与える影響を発表したメルクは大幅高、新築住宅販売の急増を受けてレナーやKBホームなど住宅株が堅調となりました。2010年1−3月期決算が予想を上回ったゼロックスも大幅高、同様に前日発表した決算が予想を上回ったアメリカン・エキスプレスも堅調となりました。マイクロソフトは前日引け後に発表した決算は予想を上回ったのですが、出尽くし感もあって軟調、決算発表で示した収益見通しが慎重と見られたアマゾン・ドット・コムは大幅下落となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国金融規制問題や欧州での金融不安、中国での引き締め懸念、人民元切り上げ懸念などが重なっている中でのG20会合を控えた週末ということで、手仕舞いの売り買い、持高調整の売り買いが中心で軟調な水準で方向感のない展開となりました。外国人も売り越しと伝えられたこともあり、積極的な売り買いは少なく、物色対象も絞りきれない感じで方向感なく軟調となりました。

 週末の米国市場が堅調となったことや為替も対ユーロでも落ち着きが見られることなどから堅調な展開が期待されます。先週は持高調整の売り買いの中で先駆して景気回復、業績回復を織り込んでいたようなハイテク銘柄などが円高ということもあって売られましたが、指数の底堅さや売り一巡感からハイテク銘柄などの買戻しや値ごろ感からの買いを受けて全般に底堅い堅調な展開となりそうです。決算発表の本格化や大型連休を控えて引き続き持高調整も多いものと思われ、上値も限定されそうです。底堅さは見られても戻りの鈍い展開となりそうです。

 日経平均は10800円から900円水準での底堅さを確認するような展開になっており、引き続き10800円〜900円水準では底堅さは見られるものと思います。一方、上値の重さも気になるところですが、持高調整の売りが一巡となれば一気に11300円〜400円と言う節目を窺うような場面もありそうです。決算動向に振らされながらも指数は底堅い展開が続くのではないかと思います。今度は決算発表への反応と物色一巡からの調整が一巡するのかどうか、持高調整がどこで終了するのかが注目されます。

本日の注目点

◇3月の企業向けサービス価格指数(日銀)

◇3月期決算:キッコーマン(2801)、花王(4452)、日本電産(6592)

◇1−3月期決算:キヤノン(7751)

◇3月期決算:インド=マルチ・スズキ

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