大都市に“変わった人”が多いワケちきりんの“社会派”で行こう!(2/3 ページ)

» 2010年04月26日 08時00分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]

大都市は規範性が低い

 さて、「ばらつき度合いが大きい」「多様なものが混在している」ということは、同時に「自由である」ことを意味します。

 結婚しない女性を「売れ残り」、男性を「一人前ではない」と断じるのは、「結婚するのが普通で、それ以外は普通ではない」という意識のためですが、未婚・非婚の人が増えれば、どちらが普通という感覚はなくなります。多様性は自由度につながるのです。

 職業の有無や選び方、お金や時間の使い方、家族の形態、性的な嗜好(しこう)など何をとっても、その地域にいる人の選択や性向が多様であればあるほど、個人の自由度は高くなります。生活スタイルのあらゆる面において圧倒的な自由度があること。これが大都市が人をひきつけ、膨張し続ける一番の理由でしょう。

 またそれは、「こうあらねばならない」という規範性が低いということでもあります。画一的な人の多いエリアでは、「こういうプロフィルの人は、こうであるべき」という思い込みが強固に残っています。学生は学生らしく、金持ちは金持ちらしく、男は男らしく、という感じです。

 この規範性の高さが人の行動を縛ります。地方の方が早く結婚すること、女性の喫煙率が低いことなどは、住んでいる人の性格によるものではなく、住んでいる地域の規範性の高さを反映しているからではないでしょうか。

都道府県別の女性の喫煙率(出典:厚生労働省)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.