生意気な新人には、どのように接すればいいのか吉田典史の時事日想(2/3 ページ)

» 2010年04月23日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]

 得てして、こういう人たちが「20代の社員は基礎ができていない!」と酷評する。中には「俺たちが若かったころは……」「今の20代は……」とまで口にする社員もいた。デキが悪くて周囲から浮きまくりの社員から、こういったセリフを聞くことになるとは私は想像していなかった。

 ちなみにこの社員は半年ほど前に、その出版社では“窓際”と言われる営業部に追い出された。それを聞いたとき、いい人事だと私は思った。こういうレベルの先輩がいつまでもそこにいると、20代で優秀な社員は伸びない。若くとも“腐ったリンゴ”は取り除くに限る。

後輩にリスペクトの念を持つ?

 さて、小岩氏も先輩と後輩の関係については、中村氏と同じような考えである。

 「20代後半〜30代半ばまでくらいならば、職務遂行能力の面で新人と大きな差はないでしょう。近い将来、新人がこの先輩たちよりも優秀になる可能性はあります。実際、小さな会社では扱い(待遇)などで双方の逆転はあります。その意味でも、先輩が新人を押さえ込むのは好ましくないでしょうね」

 むしろ、20代後半〜30代半ばの社員は今後、管理職になる予備段階という意識を持ち、この時期、後輩へのコーチングなどを学んだほうがいいと小岩氏は勧める。そして、コーチングのポイントとして次のことを述べる。

 「この場合の先輩は管理職ではありません。ですから、自分が強い権限を持っているかのように思い込み、新人に強く言うべきではないでしょう。新人がきちんとした行動を取ることができないときは、管理職が指導するべきです。むしろ先輩は、新人を認めることに徹するべき。例えば、新人の性格や態度などでいい部分を見つけて、言葉をかけてあげるといいでしょう。これくらいのことがきちんとできるようになることが、管理職になるうえで必要です」

 これを私なりに解釈すると、20代後半〜30代半ばの社員はあまり勘違いするなということだろう。確かに会社員である自分の立場をわきまえたうえで、新人と同じ目線で仕事に取り組むことが必要だ。ところが、20代後半〜30代半ばの社員の中には勘違いして、先輩風をやたら吹かしている者がいる。後輩や新人はさぞかし苦痛だろう。逆に言えば、先輩からコーチングを受けてどうしても納得できない場合は、「これはどういうことですか?」などとタイミングを見計らい尋ねてみるといい。

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