米国金融規制懸念が薄らいだことなどから買い先行だが上値は重く最後は軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年04月20日 16時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場のダウ平均が堅調となったことや円高一服となったこと、昨日まで連日の大幅下落となった反動から、買い先行となりました。寄り付きの買いが一巡した後も上値を試す動きが続いたのですが、日経平均が心理的な節目と見られる11000円に載せなかったことで利益確定売りや戻り売りに押され、上値の重さを嫌気して上げ幅縮小となり、いったん上値の重さが確認されると後場も堅調ながらも上値の重い展開となり結局は手仕舞い売りに押されて軟調となりました。

 世界的に景気回復を織り込みながらも、米国の金融規制懸念、欧州の金融不安、中国の金融引き締め懸念、と依然として懸念材料も多く、一旦上値の重さが気になりだすと過熱感が強い相場だけに「戻れば売り、下がれば売り」というような持高調整の売りや単純に手仕舞い売りが嵩んでさらに上値が重くなるようです。上値の重さを嫌気してますます手仕舞い売りが嵩む、と言うような悪循環となり、一相場終わったと見ると昨年の7月や10月、11月、今年の1月から2月の相場のような調整となるかもしれません。

 相変らず「中国株が安いから」などと言うコメントも見られますが、何度も言うようですが、日本は中国経済の影響は大きくなってはいるものの、中国株式市場の動きは中国経済とは違う動きであり、中国株が安いからといって、日本経済が影響を受けるわけではないのです。中国株が安い理由が単に利益確定売りであれば影響はないのでしょうが、本日のように中国での金融引き締め懸念が強まると中国の経済の拡大が鈍り、中国の需要が減ることで日本の企業に影響がでるのです。

 上海株式市場が軟調な理由が米国株安であり、日本株安あることもあり、単純に「上海市場が軟調だから」とそれだけで日本株を売ることは少ないと思います。米国株の動きは経済の動向を反映していることが多く株式市場の動きが日本株の動向に影響することは多いのですが、中国、特に上海市場の動きはまた別な要素で動いていると見ておいたほうが良いと思います。日本市場も単に目先的な需給要因=持高調整の売り買いなどで動くことが多いの同じことだと考えると分かり易いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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