大幅下落の反動やヘッジ売りの買い戻し、銀行の好決算を受けて反発だが上値も重い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年04月20日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11092.05△73.39

<NASDAQ>2480.11▼1.15

<為替:NY終値>92.41-92.47

大幅下落の反動やヘッジ売りの買い戻し、銀行の好決算を受けて反発だが上値も重い

 先週末の大幅下落の反動に加え、問題となった金融機関の訴追問題も債務担保証券(CDO)市場全体に影響が拡大することはないとされたことから、反発して始まりました。欧州金融不安もあって、寄付きの買いが一巡した後は売り直される場面もあったのですが、銀行株の好決算発表もあり、値ごろ感からの買いも入ってダウ平均は堅調、ナスダック指数も小幅安、ほぼ横ばいと言う水準まで戻りました。

 景気先行指標が予想を上回ったことで、景気回復、企業業績回復が下支えとなり底堅い展開となりました。利益確定の反対売買などで為替も落ち着き、商品市場も軟調ながらも底堅い展開となったこと、また訴追問題も拡大が防げそうだという見方に値ごろ感からの買い戻しもあって堅調となりました。業績回復の度合いに比べて先走った感の強かったハイテク銘柄などは利益確定売りが続き軟調なものも見られましたが売り急ぐ動きは一巡、落ち着いた展開となりました。

 個別には予想を上回る決算を発表したシティグループが大幅高、訴追の影響も限定的とされてゴールドマンサックスも反発、バンク・オブ・アメリカは軟調となりましたが、金融株全般に堅調となりました。投資判断の引き上げがあったスプリント・ネクステル(通信)が高く、同業のAT&Tも連れ高となりました。景気回復を織り込むようにデュポンやキャタピラーも高く、金先物や原油先物は軟調となったのですが、エクソン・モービルやシェブロンの石油株、パブリック・ゴールドやニューモントマイニングの金鉱株も高くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国市場が大幅下落となったことや為替が円高に振れたことから売り先行となり、先週末に続いて連日の大幅下落となりました。依然として過熱感が強かったこともあり、手仕舞い売り、見切売りが嵩んだものと思われます。下値の節目と見られる10800円から900円水準では下げ止まりましたが、外国人も買い越し基調と伝えられた中での連日の大幅下落であり、決算発表の本格化を前に調整局面となりました。

 米国市場が反発となったことで、日本市場も昨日の大幅下落の反動から反発が期待されます。ただ、過熱感が強いこともあり、戻りも鈍いのではないかと思います。為替も円安に振れたことで、売られすぎたハイテク銘柄などの輸出関連株や金融株などは反発も期待されますが、過熱感を冷ます調整局面ということで戻りも限定されるものと思われます。業績回復が期待される銘柄も多くここから売り急ぐ動きも少ないと思われますが「戻れば売り」と言う雰囲気になり、戻りの鈍さ上値の重さを確認すると利益確定売りを急ぐようなことになるのでしょう。

 昨日も節目と見られる10800円から900円水準で下げ止まりましたが、引き続きこの水準での底堅さを確認するような展開が続くものと思います。為替は円安に振れたことで、指数に影響の大きな値がさ輸出株などは反発、指数の押し上げも期待されますが、昨日夕方発表された半導体製造BBレシオも前回から減少したことなどもあり、指数の影響の大きな値がさ半導体関連銘柄などが軟調となると指数の足を引っ張ることになりそうです。引き続き下値が10800円から900円、上値は11300円から400円と言う水準と見ておいて良いものと思います。

本日の注目点

◇2月の第3次産業活動指数(経産省)

◇3月の全国コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)

◇3月期決算:安川電機(6506)

◇インド準備銀行政策決定会合

◇1−3月期決算:米ゴールドマン・サックス、米コカ・コーラ、米ヤフー、米アップル、米ジョンソン・アンド・ジョンソン

◇2月期決算:英テスコ

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