新聞・雑誌よりもオンラインメディアを好む――日本人とメディアの関係

» 2010年04月16日 19時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 日本人はメディアとどのように関わっているのだろうか。米国人、英国人、ドイツ人と比べ、日本人は「新聞や雑誌よりも、オンラインメディアを好む」「オンラインメディアをもっと利用したい」傾向があることが、デロイト トーマツ コンサルティングの調査で明らかになった。また「インターネット広告は煩わしくない」「広告を受けとるために、個人情報を提供してもよい」と、広告配信については寛容的であることがうかがえた。

 一方、「自身で情報を加工・発信している」「オンラインメディア(SNSなど)を介した対人関係構築を重視する」など、能動的な活動に対しては消極的のようだ。同社の浅枝芳隆アジアパシフィックリーダーは「Twitterの利用者が増えているが、3つの国と比べると日本人はまだまだ遅れているのかもしれない」と話した。

(出典:デロイト トーマツ コンサルティング)

因子得点データ(偏差値換算後の国別平均点:4カ国の総平均50点)

米国 英国 ドイツ 日本
オンライン・メディアをもっと利用したい 49.9 50.5 46.6 52.8
SNS/ゲームの中の広告に影響力を感じる 49.4 49.7 48.2 52.7
広告受取のために個人情報を提供してもよい 49.3 49.4 49.3 52.2
広告の視聴を負担に感じる 50.7 51.2 48.5 49.3
インターネット広告は煩わしい 50.6 50.9 51.0 47.4
オンラインメディア(SNSなど)を介した対人間関係構築を重視する 50.4 51.1 50.9 47.4
自身で情報を加工・発信している 50.2 51.2 50.7 47.8
オフラインのメディア(新聞・雑誌など)をより好む 50.9 51.3 49.7 47.8
PCや携帯電話を娯楽手段として重視する 49.2 50.5 49.1 51.2

影響力の強い広告媒体

デロイト トーマツ コンサルティングの浅枝芳隆アジアパシフィックリーダー

 インターネットの利用方法において、日本人はどのような特徴があるのだろうか。3カ国の人と比べ、日本人は「ポータルサイトを利用」(日本41%、3カ国平均25%)する人が多いことが明らかに。このほか「他者が製作したコンテンツの閲覧」(48%、35%)、「個人的な趣味・関心についての情報収集」(59%、48%)、「ニュースの閲覧」(65%、56%)、「金融/投資情報の収集」(20%、13%)と答えた人が目立った。

 一方「友人や家族へのメール」(57%、73%)、「SNSやチャットルーム、掲示板を通じた交流」(21%、39%)、「友人や家族へのインスタントメッセージ」(24%、44%)を行う人は少ないようだ。この結果について、浅枝氏は「日本人は個人でインターネットを利用する人が多いが、自ら情報を発信したり、他人との交流に利用する人は少ないようだ」と分析した。

 最も影響力が強いと思う広告媒体について聞いたところ、「インターネット」(36%、15%)と答えた人が外国人よりも、21ポイントも上回った。また「テレビ」(40%、40%)に影響を受けているという人も目立った。逆に「新聞」(12%、16%)や「雑誌」(7%、13%)と回答した人は少なかった。

インターネットの利用頻度(出典:デロイト トーマツ コンサルティング)

 インターネットによる調査で、日本、米国、英国、ドイツで在住する7721人が回答した。調査期間は2009年9月11日から10月13日まで。

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