米国株高にもかかわらず、週末の手仕舞いなどに押されて大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年04月16日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 11102.18円 ▼171.61円
売買高 22億2185万株
日経平均先物 11090円 ▼180円
売買代金 1兆5102億円
TOPIX 988.84 ▼10.06
値上がり銘柄 320銘柄
東証マザーズ指数 494.94 ▼1.84
値下がり銘柄 1256銘柄
日経ジャスダック平均 1326.27円 ▼0.67円
変わらず 96銘柄
騰落レシオ 130.62% ▼14.24%

日経平均

米国株高にもかかわらず懸念材料が多い中で週末の手仕舞い売りや持高調整の売りに押されて大幅安

 米国市場が堅調となったのですが、米国市場の引け後に発表された決算を受けて出尽くし感や失望感から時間外取引でハイテク銘柄が売られたことや欧州金融不安での信用収縮懸念からの持高調整の売りに、目先的な過熱感が強いことから週末の手仕舞い売りも嵩んで売り先行となりました。寄り付きの売りが一巡した後は底堅い動きも見られる一方で中国の元切り上げ観測や金融引き締め懸念から売り直されてじり安となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられたのですが、持高調整の売りも多く下支え材料とはなりませんでした。

 後場に入ると下値を探る展開となりました。寄り付きは落ち着いた始まりとなったものの戻りの鈍さや、持高調整の売りが止まらず、戻りの鈍さが確認されると売り直されるといった状況で安値を探る動きとなりました。日経平均が11100円を割り込み11000円を意識するところでは目先筋の買い戻しも見られ底堅くなるのですが、買い戻しを急ぐ動きも少なく、持高調整の売りが続いて指数の上値を押さえ、大幅安と言う状況で方向感のない展開となりました。最後は買い戻しも入りましたが、売りも多く、安値圏での引けとなりました。

 小型銘柄も軟調となりましたが、主力銘柄ほどの下落とはなりませんでした。東証マザーズ指数も日経ジャスダック平均も軟調となりましたが、底堅さも見られました。先物は後場の寄り付き直後までは散発的にまとまった売りが出るような展開でしたが、売り一巡後はまとまった売り買いは見られず、方向感のない展開となりました。週末のヘッジ売りもほとんど見られず、目先筋が中心となっていたようで、指数を大きく動かすような場面はほとんどありませんでした。

 世界的な経済成長への懸念材料と言うよりは株式市場の懸念材料が多く、一旦調整と見られて大きな下落となったものと思います。米国では決算動向は好調ですが出口戦略や目先的な過熱感が気になり、中国では元切り上げの問題と金融引き締めの懸念が強く、日本では過熱感が強いこともあって持高調整の売りが多く、為替が円高に振れることが懸念されるという状況で、週末と言こともあって積極的に買い上がる動きは皆無に等しく、手仕舞い売り、、持高調整の売りといった目先の需給要因で大きな下げとなりました。来週もまだ過熱感を冷ますことになるのでしょうし、「戻れば売り」と言う雰囲気が続くのではないかと思います。再来週あたりから決算動向を見ながら買い直されることになるのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 転換線を割り込んで調整となりました。基準線も上昇となり、意識するところでは底堅さも見られます。RSIやストキャスティックスは引き続き調整が続きまだ下値余地もあることから、基準線のサポートを確認するような値幅整理、あるいは遅行線が日々線を意識する水準で動きが出る、日柄整理のどちらかのパターンとなり、いずれにしても上値の重い展開は続くものと思います。

TOPIX

NYダウ

 引き続き転換線にサポートされるように底堅い堅調な展開、値持ちの良い展開となっています。RSIやストキャスティックスはまだ下落が続き下値余地も大きく、上値の重い展開は続くものと思います。基準線までの値幅整理、あるいは遅行線が日々線にかかるまでの日柄整理の動きとなって来るのでしょう。

円相場

NYダウ

 ほとんど動きがありません。底堅いと言えば底堅く、1月高値水準での底堅さを確認することになっています。RSIやストキャスティックスはまだ下値余地も大きいのですが、値幅での調整というよりは日柄での調整となる可能性が高くなっており、基準線のサポートを確認するか、基準線が上昇に転じることで反発となって来るのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

週末の手仕舞い売りや持高調整の売りに押されて大幅下落

三菱重(7011) 383 ▼9

 アイスランドの電力最大手と地熱発電で提携すると発表、新興国のインフラ整備が進む中で発電システムの品揃えの面で評価できると思ったのですが、特に材料視されることなく手仕舞い売りに押されて軟調となりました。

板硝子(5202) 287 △5

 昨日の引け後に社長兼最高経営責任者(CEO)に元米化学大手上席副社長を起用すると発表、国際経験が豊富な新社長のもとで、グローバル事業の継続が期待されて買われ、堅調となりました。

東エレク(8035) 6380 ▼180

 本日の新聞で2011年3月期の営業損益が大幅黒字となりそうだと報じられましたが、市場予想を下回ったことや、為替が円高に振れたことなどから、手仕舞い売りに押されて軟調となりました。

パナソニック(6752) 1391 ▼30

 2012年度に連結売上高に占める海外比率を55%に高める計画と新聞で報じられましたが、円高傾向にあることが嫌気されて売られ軟調となりました。

日野自(7205) 422 △15

 大幅高となり2008年10月2日以来の高値水準となりました。昨日の引け後に2010年3月期の連結最終利益が従来の赤字予想から大幅に改善したことが好感されて買われました。

スクリーン(7735) 498 △31

 特に材料が出たわけでもないのですが、値動きの良さを好感する動きに加え、大手証券が業績のV字回復が期待できるとして目標株価を引き上げたことが好感されたものと思います。

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