米国株高を好感して買い先行となるも、上値の重い展開(1/2 ページ)

» 2010年04月15日 17時21分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 11,273.79 円 △68.89円
売買高 23億6697万株
日経平均先物 11,270 円 △60円
売買代金 1兆5313億円
TOPIX 998.90 △7.80
値上がり銘柄 1,057銘柄
東証マザーズ指数 496.78 △6.35
値下がり銘柄 457銘柄
日経ジャスダック平均 1,326.94 円 △7.88 円
変わらず 158銘柄
為替 1ドル=93.45
騰落レシオ 144.86% △7.59%

日経平均

米国株高を好感して買い先行となるも持高調整の売りもあって上値の重い展開

 企業業績の回復や経済指標の好転を好感して米国市場が堅調となったことから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡した後も堅調な展開が続きましたが、中国の経済指標の発表を控えて積極的な売り買いが手控えられ、前場中頃に予想を上回るGDP(国内総生産)と予想を下回る消費者物価指数(CPI)が伝わりましたが、特に材料視されず、上値の重い展開が続きました。

 後場に入ると手掛かり難から手仕舞い売りに押されて上値の重い展開となりました。売り急ぐだけの材料もないことから値持ちはいいのですが、逆に買い急ぐ材料もなく、中国の金融引き締め懸念や持高調整の売りも続いて上値も重く、方向感のない展開が続きました。過熱感は依然として強く、先行きに対する懸念も強く、決算を見極めるまでは動き難いということで市場参加者は増えず、目先筋の売買や持高調整の売り買いが中心で最後まで方向感の無い展開となりました。

 小型銘柄も堅調なのですが、上値も物色対象も限定的となり、方向感も物色対象も広がりは見えませんでした。東証マザーズ指数も日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物は前場に上値が重くなったところではまとまった買いも入り指数を押し上げましたが、後場は寄付きから断続的に売りが続いて指数を押し下げました。後場の寄付きからの売りが一巡するとまとまった売り買いも少なく、方向感はありませんでした。

 好材料にも悪材料にも反応が鈍く、目先の需給に振らされる相場となっているようです。日経平均も11,300円から400円水準が上値の節目となった感があり、上値の節目での重さを確認しては手仕舞い売りが嵩み、「まだ買える銘柄はないか」と探しているような状況ではないかと思います。物色一巡となると買えるものが無くなり、新たな市場参加者が登場しないことには指数も上値の重さばかりが目立つことになりそうです。

テクニカル分析

 転換線を抜けて来ましたがまだもみ合いの範囲内での動きです。RSIもストキャスティックスもまだ下落が続いており、このままもみ合いで日柄の調整となるのか、一旦、基準線のサポートを確認するように値幅調整となるものと思われ、いずれにしても上値の重い展開は続くものと思います。

TOPIX

 高値更新となりましたが、物色一巡感、出遅れ銘柄の物色で指数が上がった分、盛り上がりに欠ける展開となっています。持高調整の売り買いが嵩むなかで高値更新となりましたが、まだ「もみ合いの中での動き」と見ておいていいものと思います。過熱感も依然として強く、ちょうど昨年8月のような高値圏でのもみ合いという感じです。

円相場

 転換線に上値を押さえられてもみ合いとなっています。依然として1月高値水準で動きはなく、調整となっています。RSIやストキャスティックスも下落が続き下値余地も大きく、もうしばらく押し目を探る動きが続きそうです。基準線を意識するところでは下げ止まるものと思われ、底堅さも見られるのでしょうが上値の重い調整が続くものと思います。

銘柄ピックアップ

米国や中国の経済指標の好転に反応できず

武田(4502) 4,140 ▼5

 2010年3月期の連結営業利益が従来予想を上回ったようだと新聞で報じられ、市場予想も上回ったこともあり一時3日ぶりの反発となりましたが、持高調整の売りは続いており、結局軟調となりました。

川重(7012) 267 △9

 ベトナムの南北高速鉄道に新幹線方式を採用すると新聞で報じられ、新幹線車両を手掛けている同社の収益拡大期待が高まり、大幅高となりました。シンガポールで地下鉄建設用の掘進機を受注したと報じられたことも「鉄道関連銘柄」として買い要因となりました。

千葉銀(8331) 608 △18

 米国で銀行の好調な決算発表を受けて銀行株が大幅高となった地合いを受け、また、業績回復期待から外資系証券が新規に強気の投資判断と目標株価を示したことから買われ、堅調となりました。

コマツ(6301) 1,943 △33

 前場中頃に中国の国内総生産(GDP)と消費者物価指数が伝わり、物価が落ち着いて、高成長は続いているとの見方から「中国関連銘柄」として買われ、堅調となりました。

神戸鋼(5406) 223 △14

 昨日の引け後に中長期経営ビジョンを発表、同社の新しい技術による新鉄源事業は、中長期的な成長を牽引する可能性が高いということで、大手証券が目標株価を引き上げたことが好感されて買われ堅調となりました。

GSユアサ(6674) 691 △22

 大幅高となりました。仏企業連合が電気自動車5万台をルノーとプジョーシトロエングループ(PSA)に発注。PSAには三菱自動車(7211)がOEM(相手先ブランドによる生産)供給する予定とされ、GSユアサが三菱自動車向けにリチウムイオン電池を供給していることから、業績拡大が期待されて買われました。

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