好材料が相次ぎ堅調、金融株、ハイテク株が高い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年04月15日 08時30分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11123.11△103.69

<NASDAQ>2504.86△38.87

<為替:NY終値>93.24-93.3

好材料が相次ぎ堅調、金融株、ハイテク株が高く、ナスダック指数は大幅高

 前日の引け後に発表された決算や朝方発表された決算が予想を上回ったことや小売売上高も予想を上回り、企業業績だけではなく、個人消費にも改善が見られることを好感して総じて買い先行となりました。FRB(連邦準備理事会)議長の議会証言も、景気回復を確認しつつもまだ雇用の回復には時間がかかると言う慎重な見方が伝えられ、「出口戦略」に対する懸念も浮上せず、買い戻しを急ぐ動きもあってダウ平均は大幅高とまでは行きませんしたが、ナスダック指数は大幅高となりました。

 期待した通り業績の上振れも見られたことで、これからの決算発表に対する期待もあって堅調となったものと思われます。一方で回復しているとは言え、雇用などの回復はまだ緒についたばかりと言うことで、「出口戦略」は時期尚早と言う見方が出たことで買い安心感が広がった、空売りなどの買い戻しを急ぐ動きとなったということでしょう。商品市況も堅調ですが、過熱感が強いわけでもなく、インフレに対する懸念も少なく、上値を押さえる要因となりませんでした。

 個別には予想を上回る決算を発表したインテルは大幅高、連れてIBMやマイクロソフトなども高く、高機能携帯端末の海外での発売を延期したアップルも高くなりました。同様に予想を上回る決算を発表したJPモルガン・チェースが大幅高となり、連れてシティグループ、バンク・オブ・アメリカなどの銀行株ばかりではなく、ゴールドマン・サックスやアメリカン・エキスプレスなど金融株が軒並み大幅高となり指数を押し上げる要因となりました。景気回復期待が高まり、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、ホーム・デポなどは堅調でしたが、ウォルマートは利益確定売りもあって小幅安となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や米半導体株の好決算を受けて買い先行となったものの持高調整の売りもあって上値が重く小動きとなりました。手仕舞い売りが嵩むと指数も軟調となる場面が見られるなど、目先の需給に振らされながら上値の重い展開、好材料に反応しきれない相場となりました。外国人も買い越し基調と伝えられたのですが特に材料視されることもなく、方向感のない展開となりました。

 米国市場が好決算や個人消費の回復などを受けて堅調となったことで日本市場も堅調な展開となりそうです。ただ、中国での経済指標の発表や金融引き締め懸念もあり、昨日同様に上値の重い展開となりそうです。持高調整の売りがどの程度出てくるのかなど目先の需給要因に左右されそうですが、出遅れ感が強い銘柄や好業績が期待されながら期待先行で買われた後利益確定売りに押されているようなハイテク銘柄の一角や金融株、小売株などを物色する動きも出て、堅調な展開となりそうです。

 日経平均も11300円から400円水準が節目となり、この水準では上値も重くなりそうです。この水準を抜けると「次」の段階に入ったことになり、11800円水準を目指すことになりそうですが、過熱感が冷めるまでは11300円から400円のの水準になると売りが嵩むような展開となって来るのかもしれません。中国の金融引き締め懸念や人民元の切り上げ懸念が強まると逆に11000円水準と見られる下値を探るような展開となるのでしょう。

本日の注目点

◇日銀支店長会議

◇2月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇4月のニューヨーク連銀景気指数

◇3月の米鉱工業生産指数

◇4月のフィラデルフィア連銀景気指数

◇4月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数

◇米新規失業保険申請件数

◇1−3月期の中国GDP(国内総生産)

◇3月の中国の消費者物価指数(CPI)

◇2月期決算:マルエツ(8178)、アデランスHD(8170)

◇1−3月期決算:米AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)(16日早朝)

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