特に売り材料があったわけでもないが、過熱感が強かったことに加え持高調整の売りも嵩んで一時大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年04月13日 16時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 11161.23円 ▼90.67円
売買高 23億7304万株
日経平均先物 11150円 ▼110円
売買代金 1兆5093億円
TOPIX 988.44 ▼6.34
値上がり銘柄 437銘柄
東証マザーズ指数 482.19 △2.26
値下がり銘柄 1130銘柄
日経ジャスダック平均 1316.77円 △7.70円
変わらず 102銘柄
騰落レシオ 133.76% ▼12.05%

日経平均

特に売り材料があったわけでもないが、過熱感が強かったことに加え持高調整の売りも嵩んで一時大幅下落

 米国市場は堅調だが上値は重く、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も株数ベースでは買い越し、金額ベースは売り越しとなり方向感のない展開となるかと思われましたが、持高調整と見られる売りが寄付きから見られ、売り先行となりました。寄り付きの売りが一巡したところでは底堅さも見られましたが、戻りの鈍さを確認しては売り直されて軟調となり、為替も円高に振れたことや中国での元切り上げ問題などを取り沙汰する向きもあり、売り急ぐ場面も見られました。

 後場も戻りの鈍さを嫌気して売りが嵩み、下値を試す動きとなりました。11100円を割り込むところからは底堅さも見られたのですが、戻りを鈍さを確認しては売られるとった状況で安値圏でのもみ合いとなりました。最後は目先筋の買い戻しも入り下げ幅を縮小しましたが、昨日までの相場で物色一巡感もあり、値動きの悪さを嫌気して手仕舞い売りや見切売りが嵩んだものと思います。同業種の中でも、同じような材料が出ても高安まちまちとなっていた銘柄群もあり、持高調整の売り買いと言う目先の需給に振らされた面も大きいと思います。

 小型銘柄は持高調整の売りも少なかったのか堅調なものも多く、東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均は堅調となりました。先物は前場はまとまった売りが散発的に見られ、指数を下押す場面もありましたが、後場に入るとまとまった売りは少なく、散発的なまとまった買い戻しで指数を下支えする場面もあったようです。先物主導と言うよりは持高調整の売り買いにあわせたヘッジの売り買いが出ていたものと思います。

 中国元の切り上げ問題などを取り沙汰さする動きもありましたが、特に売り急がなければならない理由のないなかで、大幅下落となりました。これまで3月からの上昇相場で盛り上がりに欠けることが多かったのですが、特に買い急がなければならないところで買われていたことも多かったのですが、ちょうど逆のパターンで売り急がなければならない材料があったわけでもないなかで大きな下落となりました。明日もこの下落が続くのかどうかも明日の寄り付きの動向を見てみないことにはわからないということではないかと思われるように、目先の需給に振らされること多くなっており、高値警戒感も強いことからまだまだ波乱含みの相場展開が続くのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 転換線にサポートされていたものが割り込んで来ました。RSIやストキャスティックスも高値圏からの下落となっており、基準線のサポートを確認、過熱感を冷ますような場面も見られるのかもしれません。下ヒゲの長い形で明日の寄り付きが高ければ転換線の水準まで戻る可能性もありそうですが、上値は重くなって来るものと思います。明日の寄付きが軟調となると基準線のサポートを確認することになりそうです。

TOPIX

NYダウ

 昨日は高値圏のもみ合いを上に抜けそうで抜けきれず、本日は下に抜けそうで抜けないという展開です。総じて見ると方向感がないということではないかと思われますが、RSIやストキャスティックスは高値圏からの調整を示唆しており、上値の重さを確認、戻りの鈍さを確認するような場面では売り直され、過熱感を冷ますような場面も見られるものと思います。

円相場

NYダウ

 底堅さも見られる一方で上値も重くなっています。RSIやストキャスティックスもまだ高値圏からの調整過程となっており、引き続き転換線などに押さえられながら上値の重い展開が続くものと思います。1月高値水準である92円から93円台でのもみ合いの中で過熱感を冷ますような調整が続くのでしょう。

銘柄ピックアップ

円高を嫌気し、過熱感が強く手仕舞い売りに押される

いすゞ(7202) 264 △8

 総じて軟調な相場の中で大幅高となりました。持高調整の売り買いの中で他の自動車株が買われるなかで売りが優勢となっていた場面もあり、反対売買の動きで買い戻しが入り大幅高となったものと思います。大手証券が投資判断を引き上げたことも材料視されたようです。

GSユアサ(6674) 677 △31

 昨日経済産業省が「次世代自動車戦略2010」と題するレポートを公表したことで関連銘柄として材料視されたことや持高調整の買い戻しが入り、また、1月高値を抜けていない出遅れ銘柄として買われて大幅高となりました。

JSR(4185) 1954 △8

 昨日の引け後に2010年3月期業績の上方修正を発表、合成ゴムの価格転嫁が浸透していることなどを好感、2011年3月期業績も上振れ期待が強いことから買われ地合いの悪さに押される場面もありましたが、底堅い堅調な展開となりました。

アマダ(6113) 769 ▼19

 中国での事業強化が新聞で報道されましたが、全く材料視されず、中国元の切り上げ懸念もあり、利益確定売りや持高調整の売りが嵩んで軟調となりました。

NTT(9432) 3980 ▼30

 総務省がNTTグループの組織再編をめぐり、基幹通信網から「アクセス網」の分離を検討すると新聞で報じられ、独占的な供給体制の切り崩しを懸念する動きや政府の関与を嫌う動きから売られ、軟調となりました。

三洋電(6764) 154 △2

 2011年3月期の営業利益が前期推定比5割増になる見通しと新聞で報じられ、業績回復が進んでいることを素直に好感する買いが入り堅調となりました。

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