欧州金融不安の緩和を好感し景気回復を織り込むように堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年04月12日 09時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10997.35△70.28

<NASDAQ>2454.05△17.24

<為替:NY終値>93.19-93.25

欧州金融不安の緩和を好感し景気回復を織り込むように堅調

 引き続き欧州市場が気になるところでしたが、ギリシャ国債の格下げはあったもののギリシャの株式市場が大幅に上昇、金融不安も薄れたことに加え、小売株への投資判断の引き上げや石油株の好決算などを受けて、景気回復を織り込むように買われ、ダウ平均は一時11000ドル乗せとなるなど堅調となりました。2月の卸売売上高が前月比で11ヶ月連続で増加するなど景気回復を示す経済指標もあり、週末の買戻しもあって堅調となったものと思います。

 基調は依然として強含みとなっています。経済指標も景気回復を示すものが多く、個別企業の決算発表の本格化を前に景気回復、業績回復を織り込むように堅調な地合いが続いています。商品市況も落ち着いており、インフレもデフレも懸念されず、欧州市場もようやく落ち着きを示したことや新興国での経済拡大は続いており、景気回復を素直に織り込む展開となったものと思います。目先的な過熱感もあるのですが、利益確定売りをしっかりとこなしながらの展開となっており、強含みの展開は続くものと思います。

 個別には前日の引け後に好調な決算を発表したシェブロンが買われ、原油価格は軟調となったのですが、エクソン・モービルなど石油株は顕堅調となりました。投資判断の引き上げのあったJCペニーが買われ、前日引け後に黒字決算を発表したアムバック・フィナンシャルが黒字決算を発表して急伸となりました。一方、投資判断が引き下げられたアルコアは大幅安、銀行株もJPモルガン・チェースやシティグループは堅調でしたがバンク・オブ・アメリカは軟調となるなどまちまちとなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は前日の大幅下落の反動や米国株高を受けて堅調となりましたが、依然として過熱感も強く上値の重い展開となりました。値上がり銘柄数が1000銘柄を超えている割には日経平均の上昇幅が小さい感じですが、値がさハイテク銘柄など先駆した銘柄が売られていたことで、指数の上値を押さえる動きとなったものと思います。ここまで業績の回復が遅れているとして出遅れ感が強かった小売り銘柄などが買われ指数を下支えしており、基調は強含みと思われます。

 週末の米国市場が堅調となったことから週明けの日本市場も堅調となりそうですが、依然として過熱感が強いことや為替は落ち着いているものの円安一服となっていることから、ハイテク銘柄などは引き続き利益確定売りに押されて、ここまで出遅れ感が強かった銘柄などを物色する動きは続くものと思います。欧州金融不安が薄れたことからユーロでは円安となり、ユーロ安などを嫌気して売られたハイテク銘柄の一角などは反発が期待されます。これまで相場らしい相場がなく、出遅れ感が強い内需株や1月高値を抜けていないような銘柄が物色されて指数を下支え、押し上げる動きも見られるかもしれません。

 依然として過熱感も強いことから指数の上値も限定されるものと思われ、本日は11100円台半ばや11200円水準では底堅さも見られるのでしょうが、11200円台半ばから11300円水準で上値を押さえられそうです。中期的には節目とされる11500円、11800円水準を目指すことになるのでしょうが、いったんは11000円水準や11000円を割り込んだ水準での底堅さを確認するような場面もあり、過熱感を冷ますことになるのではないかと思います。

本日の注目点

◇2月の特定サービス産業動態統計速報(経産省)

◇3月のマネーストック(日銀)

◇3月の貸出・資金吸収動向(日銀)

◇日銀金融政策決定会合議事要旨(3月16〜17日分)

◇2月期決算:松屋(8237)

◇3月の米財政収支

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