米国株高を受けて買い先行で始まるも週末の手仕舞い売りもあって上値が重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年04月09日 16時04分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 前日の大幅下落の反動や米国株高を受けて買い先行となり、反発が期待されましたが、先駆していたハイテク銘柄などを中心に週末の手仕舞い売りも出て上値の重い展開となりました。逆に前日の終値を下回るような場面では買い戻しも入り底堅さは見られるのですが、外国人が売り越しと伝えられたこともあり、上値は最後まで重く、小動きとなりました。

 日経平均などの指数や先駆して上昇していたハイテク銘柄などには過熱感が強く、特に悪材料が出たわけでもないのに大きく下落するものも見られました。ただ、ここまで上昇となったことで、買い方の回転は効いており、昨日の小型銘柄物色や内需株物色と同様に出遅れ感が強い小売り株などが買われて指数を下支えする格好となりました。うまく、幕間つなぎ銘柄が物色されて、「循環物色」となっており、指数の割には基調は強含みと見てもいいのではないかと思います。

 ここのコラムでも良く述べているのですが、「木を見ずに森を見ろ」とか「大きな流れを掴む」ことが大切ともよく言われます。ただ、勘違いしそうなのは「指数の動き」を見ることが「森」を見ることであり、「大きな流れ」を見ることだとしてしまうことです。指数もまた、その指数の特性などもあり、「森を見る」と言うことは「木の集合体」として見るべきであり、その「木」の中に日経平均もTOPIXも入っているということなのです。

 「大きな流れを見る」ということでも、「指数の動き」ではなく、世界中の情勢、経済や景況感の方向感を見ることであり、為替と債券の動きはどうか、アジアの経済の動きはどうかなどなど、様々な事象を網羅して方向感を掴むということなのです。本日の相場でも「指数は動かない」と言うことではなく、昨日買われた銘柄はどうなっているのか、ここまで過熱感が強いがそうでない銘柄はどうかなどと分析する必要があるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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