どんな人が貯めているの? ポイント発行額1兆円時代

» 2010年04月09日 14時23分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 野村総合研究所は4月9日、企業が2008年度に発行したポイント・マイレージなどの年間発行額を発表した。家電量販店、クレジットカード、携帯電話など国内10業界の売上上位企業※の数字をまとめたもので、その結果、発行総額は8917億円に達していることが分かった。

※売り上げは上位でも、ポイントサービスを提供していない企業は除外している。

 今後の発行額については、2009年度が9115億円、2014年度には9849億円に拡大すると予測。また2009年度については、家電エコポイント793億円相当を含めると、その総額は1兆円規模に達しているという。年間発行額を業界別で見てみると、「家電量販店」(2385億円)や「クレジットカード」(2122億円)、「携帯電話」(1736億円)が上位を占めたが、「今後はTポイントやPontaなどの利用者が増え、『コンビニエンスストア』業界での発行額が増えるのではないだろうか」(野村総合研究所・冨田勝己主任コンサルタント)としている。

(出典:野村総合研究所)

ポイントの種類によって、保有者の職業に違い

 消費者はどの業界のポイント(マイレージを含む)を貯めているのだろうか。「家電量販店」(83.1%)と答えた人が最も多く、次いで「スーパーマーケット」(79.3%)、「ドラッグストア」(77.5%)、「携帯電話」(72.8%)と続いた。全体的に小売業が多い一方、「航空」(27.6%)と答えた人はやや少なかった。野村総合研究所の伊藤智久コンサルタントは「『携帯電話』や『クレジットカード』(53.0%)と答えた人が意外と少なかった。ポイントが貯まっていることを認識していない人が多いのではないだろうか」と分析している。

 またポイントの種類によって、保有者の職業に違いはあるのだろうか。スーパーやドラッグストアのポイントを貯めている人は「フリーター」(スーパー:27.6%、ドラッグストア:26.7%)と答えた人が多く、家電量販店については「サラリーマンの男性」(33.4%)が目立った。航空マイラーは「サラリーマンの男性」(45.0%)が圧倒的に多く、年代別で見ると30〜40代が多かった。さらに年収別では「700万円以上」と答えた人が53.0%と過半数を超えた。

 多少手間がかかってもポイントが付く店で購入するという人はどのくらいいるのだろうか。2006年9月に実施した調査では、「手間がかかっても、ポイントの付く店で購入する」と答えた人は25.0%だったが、3年後の2009年では41%に。ただ「ポイントが付けば、多少高くても購入する」(18%→18%)と答えた人に変化はなかった。「多くの人はポイントが付くから商品を買うのではなく、あくまでサービスの一環として考えているようだ」(伊藤氏)

(出典:野村総合研究所)

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