米国株安や円高、機械受注の悪化に加え、SQ前の持高調整などもあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年04月08日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 過熱感も強かったことから、ちょっとした売り材料が出ると手仕舞い売りが嵩み、底堅さが見られず、戻りが鈍いと途端に買い気にも乏しくなり、下げ幅が広くなるというような状況でした。米国株安、円高、外国人も売り越しとこれまでの指数過熱の裏付けとなったようなものが逆になったことで売り急ぐ動きもあったものと思います。ただ、まだまだ過熱感は強く。いったん押し目を試す動きとなると、底堅さが確認されるまでは「戻れば売り」と言うような雰囲気になって来るものと思われ、値幅か日柄での調整となって来るのでしょう。

 日経平均は軟調となりましたが、基調は強いのではないかと思います。主力銘柄が売られるとすぐに小型銘柄などが幕間つなぎ的に買われる、また年初来高値を取っていなかった銘柄も出遅れ銘柄を物色する動きで続々と年初来高値を更新するという動きで、日経平均が軟調となっている割には悲観的な空気にはなっていないようです。ですから逆に戻りが鈍いとまだまだ売りが出て、ますます戻りが鈍くなり最後には売り急ぐということになるのかもしれませんが、とりあえずは底堅さを確認することになるものと思います。

 3月からこれまでの上昇も何時買いが途切れるのか、と思いつつここまで続いたと言うことであり、いつ途切れてもおかしくはなかったわけです。そして今度は「上がるのが当たり前」と言うような状況から下げに転じたときに「下落の始まり」なのか「ちょっとした押し目」なのかが判断に困ることになります。ただ、今回は業績回復の裏付けがあり、また、出遅れ銘柄や小型銘柄に物色対象がうまく循環しているとことを考えると買い方の回転が効いているということでもあり、強含みの上昇トレンドに変化が見られたとは考え難いということだと思います。

 後は、明日のSQ(特別清算指数)算出を機に買おうと思っている人もいるのでしょうし、逆に今日のうちに買っておいて明日のSQが買い越しとなればそこで売ろうなどと考える人もいそうです。また、週末だから手仕舞うという人も多く、空売りは買い戻され、買っている人は売りに出るのかもしれません。ただ、基調が強含みということは下落の始まりでも押し目でも関係なく、遅い早いはあるのですが、現状の水準からは上昇する可能性が高く、ちょっとした買いのタイミングの違いはあまり関係ないということになるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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