過熱感も強く上値も重いが為替の落ち着きや持高調整の買い戻しも入り堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年04月07日 17時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 過熱感も強いのですが引き続き堅調な展開となっています。日銀金融政策決定会合も特に影響はなく、引き続き目先的な需給に振らされて、方向感のない展開となりました。好材料が出ても売られている銘柄や悪材料が出ても買われている銘柄など、ちぐはぐな動きとなっており、目先の需給に振らされていることが分かります。過熱感が強い割りに悪材料への反応が鈍いというのも相場を読み難くしているものと思います。

 悪材料が出ても年初来高値を更新したり、為替への反応もちぐはぐとなるなど、方向感のない展開となりました。日銀の金融政策決定会合があり、長期金利は日米で上昇、その一方で資源国の通貨は高く、日本でのデフレが続き、欧州では依然として金融不安も燻っているという状況であり、為替も株価も右往左往して来るのではないかと思います。指数の過熱感が強いにも関わらず悪材料への反応も鈍く、材料に反応しきれないということなのでしょう。

 材料に関係のないところで、日銀の金融政策決定会合やオプションSQ(特別清算指数)算出などのイベントを機に持ち高を調整する動きもあるものと思われ、そうした持高調整や目先筋の需給で指数の動きが決まっているようです。材料に素直な反応とならない時は先行きに対してある程度その材料と反対の事象が潜んでいることが分かっている、例えば今は円高だが先行きは円安に振れるなどが分かっているときは円高への反応も鈍いのでしょうが、そういうこともなく反応が鈍いということは材料に関係ない売り買いが中心となっているということでしょう。

 日銀の金融政策決定会合では金利の方向性が見える可能性があり、もし金利の上昇傾向が見えると金利や為替に敏感な持ち高をいったん解消することになるのでしょうし、オプションSQに絡んでのヘッジの買いが見られれば、SQが終われば買いが売りに転換する可能性が高く今のうちに持ち高を調整しておこうと言う動きも出てくるのでしょう。そうした株価の高安や為替の動きに関係なく、持高を調整する向きが多くなれば個別の株を見ると不可解な動きとなってくるのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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