過熱感も強く、米国株高だが円高ということで利益確定売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年04月06日 16時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 11282.32円 ▼56.98円
売買高 21億0585万株
日経平均先物 11280円 ▼80円
売買代金 1兆5667億円
TOPIX 990.79 ▼4.89
値上がり銘柄 533銘柄
東証マザーズ指数 462.59 ▼5.67
値下がり銘柄 1018銘柄
日経ジャスダック平均 1283.73円 ▼0.44円
変わらず 124銘柄
騰落レシオ 144.81% ▼8.47%

日経平均

過熱感も強く、米国株高だが円高ということで利益確定売りに押されて軟調

 連休明けの米国市場は堅調となり、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が引き続き買い越しと伝えられたこともあり、買い先行となりました。ただ、寄り付きの買いが一巡すると過熱感が強いこともあり、利益確定を急ぐ動きもあり、為替が円高に振れたことも売り急がせる要因となって軟調な地合いとなりました。業績面での上振れ期待も強く、むきになって売り急ぐことはなかったのですが、戻りの鈍さを確認しては売り直されるような展開となりました。

 後場も一段と下げが加速する場面もありました。これまで相場の戻りを牽引したハイテク銘柄などの輸出関連銘柄が売られ、電鉄株など内需株や医薬品などのディフェンシブ銘柄が買われ、指数は底堅いが上値が重いというような状況となりました。為替が大きく円高に振れたところを見ると「円キャリー取引」の解消の売り買いもあったようで、指数は大きな動きにはなりませんでした。業績上振れ期待も強く、利益確定売りは出るものの売り急ぐこともないということなのでしょう。

 小型銘柄も手仕舞い売り、利益確定売りに押されるものが多くなりました。東証マザーズ指数は大幅下落、日経ジャスダック平均は小幅安となりました。先物は朝方はまとまった売りも見られましたが、逆に前場の引け際にまとまった買いが断続的に見られました。その他のまとまった売り買いはあくまでも散発的であり、方向感を出すこともありませんでした。オプションSQを控えてのヘッジの売り買いなどもあったものと思われますが、売り買いの偏りもほとんどなく、軟調ながらも方向感に乏しい展開でした。

 円安一服や過熱感が強いことから軟調となりましたが、これまでの上昇に比べると底堅い動きと見られるでしょう。利益確定売りに押されるものも多いのですが、ここまで相場らしい相場の無かったものが改めて買い直されるものも見られ、景気回復、業績回復を織り込むトレンドに変化が見られるとする向きも少なく、業績回復を織り込むように堅調な地合いが続くものと思われます。まだまだ過熱感が強いことから、持高調整の売り買いを交えながら出遅れ銘柄への物色に移ってくるかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 何とも中途半端な感じですが軟調となり調整となりそうです。明日も同じような陰線となると「三羽烏(さんばがらす)」で、売りのシグナルとなります。明日の相場で本日の高値、昨日の引け値を上回らないと調整となりそうです。特に陰線となった場合はRSIやストキャスティックスも高値圏にあって調整気分が強いだけに転換線や基準線のサポートを確認するような調整となって来るのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 高値圏で昨日の形が「首吊り足」となった可能性も高そうです。明日の相場で本日の高値を抜けるようであないと「首吊り足」のあとの「包み足」と言うことで売りのパターンとなっていることが覆せず、手仕舞い売りや見切売りも嵩んでくるものと思います。RSIもストキャスティックスも高値圏にあり、少なくとも押し目を試す動きにはなりそうです。

円相場

NYダウ

 過熱感が強く。1月高値を抜けて達成感も出てくるなかで強含みとなっています。材料のあった割には上値が重いのはある程度、金利差での円安は織り込まれていたということでしょう。心理的な節目でもある95円を意識するところでは上値も重くなりそうです。RSIもストキャスティックスも高値圏にあり、94円台=1月高値水準での底固めということになりそうです。

銘柄ピックアップ

円高に反応、利益確定売りに押されるものが多い

キヤノン(7751) 4445 ▼65

 為替が円高に振れたことやここまで5連騰となっていたことから利益確定売りに押されて軟調となりました。外資系証券が目標株価に到達したことから投資判断を引き下げたことも利益確定売りを急がせる要因となりました。

新神戸(6934) 1021 △62

 昨日の引け後に2010年3月期連結純利益が前の期の2.2倍になったようだと発表、自動車向け交換用電池のほか風力発電向けコンデンサーなどの販売が改善、増配も発表したことや、今期(2011年3月期)も期待が高まったことから買われ、大幅高となりました。

ヤマハ 発(7272) 1274 △8

 先週末に公募増資などを発表、需給悪化や株式価値の希薄化を嫌気する売りに押されて大幅下落となったことの反動から堅調となりました。目先の買い戻しが中心と思われますが「リターンリバーサル」の動きの一貫で買いが入った面もあるものと思います。

高島屋(8233) 818 △6

 2010年2月期の連結営業利益が従来の会社予想を下回るようだと新聞で報じられましたが、市場予想と同じことや業績底入れ感から買い先行となりました。買い戻し一巡後は売りなおされる場面もあり、上値も重くなりましたが、悪材料出尽くし感もあるようです。

国際帝石(1605) 716000 ±0

 米国で原油先物価格が約1年半ぶりの高値を付けたことが好感されて買われ、買い先行となりました。1月高値水準を抜けておらず、割安感もあって、買いが入りましたが手仕舞い売りも多く上値の重い展開となりました。

JVCKWHD(6632) 58 △11

 ソフトバンク(9984)が音楽ソフト会社「ビクターエンタテインメント」への出資交渉を進めていると新聞で報じられ、業績回復期待から買われ、目先筋の買いも入って大幅高となりました。大手証券もカーエレクトロニクス業界の浮上で損益改善が期待されるとして投資判断を最上位に引き上げたことも好感されたものと思います。

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