第30鉄 新幹線に乗って鉄道博物館へ行こう――埼玉新交通ニューシャトル杉山淳一の +R Style(2/4 ページ)

» 2010年04月03日 11時32分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

 車窓は行きも帰りも進行方向左側の窓際がいい。行きは西側の景色。上野から先、上中里付近はかなり高いところを走るので見晴らしがいい。天気が良ければ荒川を超えるあたりで富士山も見える。帰りは東側の景色。こちらは2階席から見下ろすと、新幹線の車両基地「東京新幹線車両センター」や在来線電車の基地「尾久車両センター」が見える。列車名にMAXが付いた列車を選ぼう。

車窓左手に車両基地(左)。車窓右手は荒川越しに富士山が見える(右)

埼玉新交通ニューシャトルも楽しいぞ

 大宮からは埼玉新交通ニューシャトルに乗って鉄道博物館駅へ。たった一駅だけど、ここもしゃぶりつくすように楽しみたい。改札を通ったら正面がホームだ。先頭車両に乗りたい気持ちを抑えて、まずは最後尾方向のホームの端へ行こう。建物のすき間から東北本線などの電車が見えるのだ。また、真下はJR貨物の操車場になっていて、運が良ければ入れ替え用のディーゼル機関車の活躍も見物できる。ここで活躍するディーゼル機関車は「DE10形」といって、全国で入れ換えに活躍するほか、流氷ノロッコ号(参照記事)などイベント列車も牽引している。JR貨物は最近、ハイブリッド機関車「HD300形」を発表した。DE10形はかなり古い機関車だ。引退はまだまだ先のことだが、その活躍を今から目に焼き付けておきたい。

ニューシャトル大宮駅。下に大宮車両センターに入庫する電車が見える(左)。運が良ければDE10形が見られるかも。暗い中で慌てて撮ったので、写真がブレているのはご容赦を……(右)

 埼玉新交通ニューシャトルはマッチ箱のように小さな電車。コンクリート製の軌道をゴムタイヤで走る。6両編成ながら全長は45メートル、一般の通勤電車の2両分しかない。大宮駅を出発すると、ぐるりと建物の横を周回して、新幹線の高架に沿う。うまいところに路線を造ったな、と思うかもしれない。ごもっとも。実はこの軌道は東北新幹線と一緒に作られた。東北新幹線・上越新幹線を建設するときに、地元の人々に見返りとして計画された路線なのだ。だから終点の内宿駅まで、ずっと新幹線の隣を走る。

 車窓のオススメは進行方向左側。右側は新幹線の防音壁になるからだ。鉄道博物館駅は隣の駅なのですぐに到着するが、車窓は鉄道好きには見逃せない。ここはJR東日本の大宮総合車両センターの真上だ。建物ばかりで電車は見えないが、新品の電車用クーラーが積まれているなど、興味深い光景が広がる。

鉄道博物館(大成)駅から撮影(左)。開業当初は大成駅という名前だった。現在も正式名称は「鉄道博物館(大成)」。改札内にはニューシャトルの車輪などが展示されている(右)

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