雇用指標、景気指標を好感し、過熱感が強く、3連休前にも関わらず堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年04月02日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10927.07△70.44

<NASDAQ>2402.58△4.62

<為替:NY終値>93.83-93.89

雇用指標、景気指標を好感し、過熱感が強く、3連休前にも関わらず堅調

 朝方発表された新規失業保険申請件数は予想を若干下回り、雇用回復への期待が高まり、寄り付き直後に発表されたISM製造業景況感指数が予想を上回ったこともあって堅調となりました。商品市況もリスク許容度の上昇などから堅調となり、株価を押し上げる要因となりました。さすがに3連休を控えていることから、利益確定売りを急ぐような場面もありましたが、買い戻しも入り最後は堅調となりました。過熱感は依然として強いのですが、センチメントが好転していることから売り急ぐ動きはなく堅調な地合いが続いています。

 景気回復を織り込み商品市況も堅調となって来ました。投機的な資金の流入が続けば、今度は「金融規制」や「出口戦略」を気にすることになりそうです。債券価格は下落(金利は上昇)しており、ここからは商品市況や金利動向も気にすることになるのではないかと思います。「業績相場」として基調は強含みなのだと思いますが、「バブル」や「インフレ」警戒感も出てくるものと思われ、資金の流れには注目しておいてもいいと思います。

 個別には原油や金など商品市況の上昇を受けてアルコアなどの素材株やシェブロン、エクソン・モービルの石油株、ニューモント・マイニング、パブリック・ゴールドなどの金鉱株などが高く、新興国の経済拡大や米雇用の底堅さなどから、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリックなど景気敏感株も堅調となりました。CEOが増配の可能性を示唆したJPモルガン・チェースが高く、連れて、バンク・オブ・アメリカやシティグループなど銀行株も高くなりました。前日の引け後に予想を上回る決算を発表したマイクロンテクノロジーは買い先行となったものの利益確定売りに押され、決算発表で売上高が予想を下回ったリサーチ・イン・モーションは大幅下落となり、インテルやアップルは小幅高となったもののハイテク銘柄は全般に冴えない展開となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場が軟調となったのですが、円安を好感する動きや持高調整の買いに目先筋の買い戻しを急ぐ動きが加わって大幅高となりました。値がさ銘柄を中心に先物主導で指数を押し上げ、後場の途中まで値上がり銘柄数が値下がり銘柄数より少ない状態で大幅高となるなど、景気回復を織り込むというよりは目先の需給要因で指数が押し上げられたものと思います。

 米国市場が堅調、為替も引き続き円安となったことから、買い先行となりそうです。過熱感は依然として強いのですが返って空売りが増えて買い戻しを急ぐ動きとなり、堅調となっている面もあるものと思います。米国市場が3連休となる週末ということもあり、上値も重くなって来るのではないかと思われ、また、買い戻し一巡となると手仕舞い売りに押される場面も出て来そうです。出遅れ銘柄を物色する動きは続き底堅さも見られるのでしょうが、持高調整の買いが止まると手仕舞い売りに押されることになるのでしょう。

 あっさりと節目と見られる11200円台半ばの水準まで上昇となりました。ここを抜けると節目らしい節目もあまりなく、11800円水準まで一気に上昇となるかもしれません。ただ、騰落レシオも140を超えてきており、過熱感が強いことには変わりなく、いったん上値の重さが気になり出すと売り急ぐ動きも見られ、11000円前後の水準での底堅さを確認するような動きも見られるのでしょう。円安を好感して輸出株を中心に堅調な地合いが続き、10200円台半ばでの底堅さを確認、水準訂正の動きとなるのかもしれません。

本日の注目点

◇3月マネタリーベース

◇3月米雇用統計

◇11−2月期決算:鉄人化(2404)

◇2月期決算:鈴丹(8193)

◇グッドフライデー(聖金曜日)でNY、ロンドン、香港市場休場

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