過熱感が強いにも関わらず米国株高を受け、利益確定売りをこなして大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月30日 16時04分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 昨日は権利落ちを埋めるように底堅く、本日も米国株が堅調となったっこともあり、引き続き堅調な展開となりました。権利落ちを埋め切れなかった銘柄も反発となるなど、利益確定売りをこなして堅調となるものも多く見られました。日経平均も節目と見られた11000円を保ち、業績上振れ期待が高いものから買い戻しも交えて堅調となりました。為替は若干円高傾向にあったのですが、外国人も買い越し基調と伝えられたこともあり、業績回復が期待されるハイテク銘柄などを中心に買われました。

 昨日までの東証一部の騰落レシオ(25日=25日間の上昇銘柄数の合計を同じ25日間の下落銘柄数の合計で割ったもの)が2006年8月23日以来の水準となりました。この指標は120%を超えると過熱感が強く、80%を割り込むと割安感が強いといわれますが、120%を超えた状況が続くこともあり、ピンポイントで高値を示す指標ではないのですが、逆に高値、となる時点では120%を超えていることが多いというような見方をする方が良いと思います。

 ただ、日経平均などの指数も移動平均線からの乖離も大きく、(これもまた、何%の乖離で高値を付けるという類の指標ではないのですが、)いつ調整となってもおかしくはない状況であると言えるでしょう。終わって見てから「やはり過熱感が強く、高値だった」と言うことになるのですが、常に「今」が高値かもしれない、と考えておく必要もあるかもしれません。こうしたときにただ漠然と「高いから」と言うことで、売り急ぐとたいへんなことになるものと思われ、「ここまで持ったのだから、下がり始めたところで売ろう」と言うような対処が正解かもしれません。

 「トレーリングストップ」と言う手法で利益を確保する方法(一言で言えば、下がり初めに売るという手法)もありますが、現状では「日銀短観の発表があれば」予想より良ければ良いで買いが入るだろうということで、逆に悪ければ悪いで売り急ぐ動きもあるだろうということで、「売る」と言う手段、イベントを機に売り買いのタイミングを測るような手法も考えられるのではないかと思います。そして、そのタイミングが天井となったり、底値となったりすることもあるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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