欧州景況感の好転や商品市況の上昇などを受けて堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月30日 08時31分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10895.86△45.50

<NASDAQ>2404.36△9.23

<為替:NY終値>92.46-92.52

欧州景況感の好転や商品市況の上昇などを受けて堅調な展開

 欧州での景況感指数の上昇や朝方発表された個人消費支出が5カ月連続で上昇となったことなどを好感して堅調な展開となりました。雇用統計など主要な経済指標の発表を控えて積極的に持ち高を増やすような動きはなかったものの物価指標が落ち着く中で商品市況が堅調となり、景気回復、業績回復を織り込むように堅調な展開となりました。原油価格の上昇を好感する動きや目標株価の引き上げなどにも素直に反応する動きとなり、落ち着いた雰囲気の中で利益確定売りをこなして堅調となりました。

 金融不安が薄れ、商品市況が上昇している中でも物価の落ち着きが見られるというように、景気回復を織り込むような落ち着いた動きとなっています。ただ、この日も債券市場は軟調(金利は上昇)となったことは相変わらず懸念材料となっています。個人消費の回復も見えて来たことで週末の雇用統計なども期待されますが、改善されたら、されたで、今後景気回復のスピードが速くなり、インフレ懸念などが取り沙汰される可能性もあり、過熱感を冷ますような調整も見られるものと思います。

 個別には原油価格の上昇を受けてエクソン・モービルやシェブロンなどの石油株が高く、新型の多機能携帯端末の発売を控え、先行予約が好調とされたアップルが投資判断の引き上げもあって堅調となりました。ボーイングも目標株価の引き上げや景気敏感銘柄として買われて堅調、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)も堅調となりました。個人消費の回復が続いていることから、ウォルマートやコカ・コーラといった個人消費関連銘柄も高くなりました。インテルは堅調でしたが、IBMは軟調、グーグルやマイクロソフトも軟調となるなどハイテク銘柄の上値が重くなっていました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国が冴えない展開となったことや週末の大幅高の反動に加え、外国人は売り越しと伝えられ、配当落ちもあったことから軟調となりました。ただ、買い戻しを急ぐ動きなどもあり高配当銘柄に軟調なものが目立ったものの、ハイテク銘柄などを中心に業績回復を期待する買いなども見られ、配当落ち分を埋めるように底堅い展開となりました。配当落ち分を戻し切るには過熱感も強く、物色対象も絞られたものと思います。

 本日の日本市場は米国市場が堅調となったことや為替が落ち着いていることもあり、戻り高値を目指す動きとなりそうです。朝方発表される失業率や鉱工業生産指数に大きな動きがあれば別ですが、過熱感が強い中で配当取り後の利益確定売りをこなして堅調な展開が期待されます。過熱感が強い中で日銀短観の発表などを控えて、上値も重くなるのでしょうが、業績回復期待が強い銘柄、業績上振れ期待が強い出遅れ銘柄などを物色する動きとなって来るものと思います。目先的に過熱感が強いことから、上値の重さを嫌気して売り急ぐ場面もありそうですが、逆に底堅さを確認して先物ヘッジ売りなどの買い戻しを急ぐがあれば昨日のように意外高と言う場面もありそうです。

 11000円を割り込むと買われ、11000を上回ると売られるような展開なのでしょうが、日経平均は11000円台を固める動きとなるのかどうかが注目されます。昨日の相場でも一旦は達成感から上値も重くなったのですが、配当落ち分を埋めるように底堅い堅調な展開となるものが多く見られました。本日も過熱感が強い中、利益確定売りが嵩んでくる中で出遅れ銘柄物色で11000円台を保てるのかどうかが注目されます。過熱感の強さが取りざたされ、朝方発表される経済指標が予想を下回るようであれば、11000円前後の上値の重さを確認することになり、経済指標が予想通りとなっても、11000円を超えるところで利益確定売りに押されることになると、上値の重さを嫌気する手仕舞い売りに押されて押し目を確認することになりそうです。

本日の注目点

◇2月の鉱工業生産指数速報(経産省)

◇2月の完全失業率(総務省)

◇2月の有効求人倍率(厚労省)

◇2月の家計調査(総務省)

◇2月の自動車国内生産・輸出実績(自工会)

◇1月の米S&Pケース・シラー住宅価格指数

◇12−2月期決算:キユーピー(2809)

◇6−2月期決算:宝印刷(7921)

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