先週末の大幅高の反動や過熱感が強いことに加え、配当落ちもあったが底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月29日 16時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 本日は配当権利落ちとなり、軟調となりましたが、先週末の大幅高の反動も懸念される中で底堅い展開となりました。配当落ち分(70円程度)が指数を押し下げたことを考えると実質上昇したと考えられ、総じて堅調と言える相場展開となりました。ただ、目先的な過熱感も強く、外国人も売り越し基調となったことなどもあり、戻りも限定的となりました。中国株などが堅調と言うことを囃す向きもありましたが、決算期末の「お化粧買い」や日銀短観の上振れ期待から売り手控えられた面もあるものと思います。

 今週の経済週刊誌で「鉄道」と言うことが取り上げられていました。高速道路の無料化が議論されたときにも問題になりましたが、環境問題を考えると燃料電池や自然エネルギーで発電した鉄道が自動車や航空機よりも二酸化炭素(CO2)の排出量も格段に少なく、見直しの機運が高まってもいいのではないかと思います。「路面電車」を見直そうという動きもあるようですが、利点はかなり多いのではないかと思います。

 もちろん、路面電車は渋滞の要因となるとか、安全面で線路の上でのスリップなどが懸念されるなどなど問題もありますが、高速鉄道ばかりではなく見直しても良いのではないかと思います。そもそも、20世紀初頭は米国でもガソリン自動車よりも路面電車(今でもサンフランシスコなどで見られます)や電気自動車が主流であったということです。石油会社と自動車会社の陰謀(?)でガソリン自動車が主流になったなどと言われていますが、もう一度見直してもいいのではないかと思います。

 また、鉄道の「大量輸送」と言うメリットも見直されることになるのではないかと思います。千葉県でも道路事情が改善したとの理由で新聞を運ぶ電車が廃止になりましたが、電車のターミナルや運行方法の見直しなど工夫次第では「モーダルシフト」として、まだまだ環境に配慮し鉄道の利点も生かせるのではないかと思います。新興国などのインフラ整備としての「鉄道」は大いに期待されますが、先進国での鉄道の見直しがあってもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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