欧州金融不安の再燃、金利上昇、利益確定など売り要因が多く軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月25日 08時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10836.15▼52.68

<NASDAQ>2398.76▼16.48

<為替:NY終値>92.29-92.35

欧州金融不安の再燃、金利上昇、利益確定など売り要因が多く軟調

 ポルトガルの格下げを受け、改めて欧州金融市場の混乱などを嫌気する動きとなり、また、住宅関連の指標も芳しくなく売り先行となりました。国債の入札も芳しくなく金利上昇も売りを急がせる要因となり、ダウ平均、ナスダック指数共に軟調となりました。過熱感が強いことや、商品市況も軟調となったことも売り要因となったのですが、売り要因が多かった割には個別の業績や再建のニュースなどで買われた銘柄もあり、底堅い展開となりました。

 ギリシャ問題が何とか片付くかもしれないと思われたところで、ポルトガルの格下げのニュースが出てドルが買われ、金融不安もあって商品市況が軟調となり、また、朝方発表された新築住宅販売が予想を下回ったことから出口戦略が遠のくかとも思われましたが、逆に国債入札が芳しくなくて長期金利が上昇するなど、ちぐはぐな動きとなっています。目先的な過熱感も依然として強く、ここからは乱舞含みの展開となるかもしれません。

 個別にはスプリント・ネクステルが前日に次世代無線技術に対応した端末を発表したことから買われて堅調、反対に同業のAT&Tとベライゾン・コミュニケーションズは軟調となりベライゾンはダウ平均採用銘柄で下落率が首位となりました。原油価格が軟調でアルコアなど資源株や素材株は安いものが多かったのですが、保有するロシアの石油会社株の一部を売却すると発表したコノコフィリップスは小幅高となり、住宅融資の残高を削減する計画を発表、中国やアジアで事業を拡大する計画も伝えられたバンク・オブ・アメリカは堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高などを受けて堅調な始まりとなったものの、目先的な過熱感が強いことから利益確定売りや持高調整の売りに押され上値の重い展開となりました。業績の上方修正を発表する銘柄も散見され素直に買われましたが、持高調整の買戻し一巡となる銘柄が大きく下落するなどまちまちとなり、方向感のない展開で小動きとなりました。相変わらず持高調整の売り買いが中心となっているものと思われます。

 米国市場は軟調となりましたが、為替が円安に振れたことで、堅調な展開が期待されます。ただ、欧州金融不安や米国での出口戦略が気になる中での円安となっており、日本市場も目先的な過熱感も強いこともあり、昨日同様に上値も限定的となりそうです。持高調整の売りも見られるものと思われ、期末を控えて波乱含みの展開となるかもしれません。商品市況が海外で軟調となったことから市況関連銘柄などは手仕舞い売りに押され、ハイテク銘柄など輸出関連銘柄などが物色されることになりそうです。その中で持高調整の売りが出るものは上値が重く、買い戻しが見られるものが上げ幅を広げるような目先の需給要因での動きとなるのでしょう。

 円安を好感して上値を試す動きとなるのでしょうが、引き続き10800円〜900円と言う水準は上値の節目となっているものと思います。騰落レシオなどを見ても依然として割高感が強く、上値も限定的となりそうです。下値不安は少なく、10800円前後の値固めとなる可能性もあり、過熱感を冷ますような場面があっても10500円から600円と言う水準までの下落で収まりそうな感じです。今日一日に動きを考えても下値は10700円前後、上値は10900円に突っかけるような場面では重くなるのではないかと思います。

本日の注目点

◇EU首脳会議(ブリュッセル、26日まで)

◇ギリシヤの財政危機問題など討議

◇2月の企業向けサービス価格指数(日銀)

◇10−12月期のニュージーランドGDP

◇12−2月期決算:米オラクル

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