恋愛マッチングの秘けつは“相性の科学”と“相手への深い理解”郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

» 2010年03月25日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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パーソナリティーでマッチング

 だが時にアイがアッシーになってしまう疑問は解けない。アイに相性はどのくらい関係するのだろうか? 米国match.comのチーフ・サイエンス・アドバイザーを務めるヘレン・フィッシャー博士は、同社の依頼での研究調査を通じて、愛を左右する脳内ホルモンにより、人は4つのパーソナリティータイプに分かれることを示した。

  • 冒険型……ドーパミン(脳内ホルモン)=一生恋愛状態でいたい恋の自由人
  • 建設型……セロトニン=愛は土台づくり、建設と思う良識人
  • 指導型……テストステロン=愛とは達成と考えるリアリスト
  • 交渉型……エストロゲン=愛を共感と気配りで育てる理想主義者

 持って生まれた気質、また後天的に得た性格によって、支配的な脳内ホルモンが人により異なる。タイプ同士の相性でマッチやアンマッチが生じるとか。私は即座に自分が“冒険型”だと直感した。だが待て、落ちつけ。博士の著書『「運命の人」は脳内ホルモンで決まる』には自己テストが付属しているので、実際に試してみた。

 テスト結果は「冒険型=42、交渉型=27、指導型=15、交渉型=15」。案の定、私は「冒険型/交渉型」で、“自由奔放愛”だったこれまでの所業のワケが裏付けられた(笑)。冒険型は誰と相性がいいのだろうか? match.comの会員データ分析から、各タイプの相性相関が判明している。

相性マトリクス(図およびコメントは『「運命の人」は脳内ホルモンで決まる』より筆者が独自に作成)

 「冒険型・冒険型」はベストマッチだが、浮気も多くなるようだ。「建設型・建設型」の良い夫婦とは好対照。指導型と交渉型は違うタイプが合う。さらにタイプによって文通で使う語彙(ごい)も違うという。冒険型は冒険的な言葉、建設型は保守的な言葉が頻出する。それでテスト結果を追跡検証もできるとか。これには納得。

 相性を科学し、言葉を重ね、ヒューマンなケアをする。match.comのコアコンピタンスは“マッチ”なのである。

お互い知り抜くこと

 こんなエピソードがある。結婚したカップルがいた。妊娠し、生まれた子が障害を持っていた。夫婦はとまどった。障害を持つ子の出生確率は数%、彼らの子どもが持っていた障害に至ってはわずか0.1%だった。障害児の出生が原因で離婚する確率は50%。

 しかし、そのカップルは結婚前にmatch.comで何度も文通をしていた。お互いを深く知りぬいてから結婚した。だからこそ、一緒に困難を克服しようと思った。愛の勝利とは相方への深い理解なのである。

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