持高調整の売り買いが中心と見られて方向感はないが、目先的な過熱感も強く軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月23日 17時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 3連休明けと言うことで様子見気分も強く、方向感のない展開となりました。特に売り買いの材料に乏しい中で持高調整の売り買いで高安が決まるかのような動きとなり、指数は方向感に乏しくなったものと思います。目先的な過熱感から買い上がり難く、業績回復を織り込む展開を考えると売り急がなければならない銘柄も限られるということなのだと思います。持高調整の売り買いも買戻しが予想以上に多く、特に材料があったわけでもないのですが、大幅高となるものも見られ指数の下支えとなっていました。

 結局方向感のない展開となりました。目先的な過熱感が強く買い上がり難いのですが、売り急がなければならない理由もないということで、来期に向けて新たな投資家が出現しているのであれば、1月高値を抜けて来るのではないかと思われ、そのためには市場に刺激を与えるということで、「月替わり」、「年度替わり」などといった日柄的な調整が必要ということなのでしょう。目先的な「株価」ばかりが気になりますが、株式市場の動きを見るにはやはり「日柄」と言うことも必要なのではないかと思います。

 何度もこのコラムで述べているように、市場が何が起きているのかを知ることが大切なことがその一つの手段が「チャート」からその動きを見極めるということなのです。特に「日柄」と言うことを考えると「一目均衡表」と言うチャートが「日柄」を測るには便利なツールと言われています。また、移動平均線などの見方もその本質を知った上で見ていくのであれば、非常に有効に活用できるものと思います。いずれにしても、「ツール」はあくまでも「ツール」であり、その使い手によって、使われ方によっても変わってくるものなのです。

 「チャート分析」をしたつもり、チャートを眺めているだけであったり、逆に眺めているだけでもその本質を見極めようと眺めているのであれば、しっかりと分析が出来ていたりすることもあるかもしれません。「日柄」と言うときにも何故一目均衡表の基本数値が26日なのか、移動平均線でよく使われるものが25日であり、75日なのか、週足でも13週移動平均線であり、26週移動平均線なのかをしっかりと自分のものにしておくことが大切なのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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