インドの利上げを嫌気し、欧州金融不安に振らされながらも底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月23日 09時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10785.89△43.91

<NASDAQ>2395.40△20.99

<為替:NY終値>90.13-90.19

インドの利上げを嫌気し、欧州金融不安に振らされながらも底堅い堅調な展開

 先週末の米国市場は目先的な過熱感に加え、インドでの利上げを嫌気するかのように上げ一服、軟調となりましたが、週明けの市場は欧州でのギリシャ問題への懸念から軟調となる場面もあったものの、医療改革法案の可決を好感するように堅調となりました、日本市場が休場となる前に比べると、ほぼ横ばい、ダウ平均やナスダック指数は若干高く、S&P500指数は若干安いというようなもみ合いとなりました。

 目先的な過熱感は強まっているのですが、企業業績の回復、景気の回復が雇用や個人消費にまで波及しているとの見方は変わらず、利益確定売りは出るものの大きく売り崩すような動きはありません。センチメントは上向いているということで、「業績相場」へ移行していることには違いなさそうです。ただ、過熱感が強いことや新興国での金融引き締め懸念に続き、米国でも「出口戦略」がそろそろ取り沙汰されて来そうで、上値も重くなりそうです。

 個別には医療保険改革法案が可決したことで好感する動き、見方によっては悪材料出尽くしと言う見方もありましたが、メルクやファイザーなど医薬品株やエトナやシグナなどの保険株が高くなりました。先週末に続いて投資判断の引き上げのあったボーイングが堅調、AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)は元首脳が保有株を売却すると伝わり、需給悪化懸念から売られ、中国でのインターネット検索サービスの一部を停止したと発表したグーグルも軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や為替の落ち着きから堅調となりました。3連休を控えた決算月の週末であったのですが、持高調整の買戻しも見られ、手仕舞い売りをこなして堅調となりました。値持ちの良さが好材料への素直な反応となり、外国人も買い越しと伝えられたことで、売り急ぐ動きもなかったものと思います。積極的に買い上がる動きはないのですが、業績回復を織り込むように堅調な地合いが続いています。

 日本市場が休場の間の米国市場はもみ合いながらも堅調な展開となりましたが、為替が再び円高気味になったことや欧州での金融不安が払拭されていないこと、また、インドの利上げなどの影響もあって、上値の重い展開となりそうです。目先的な過熱感が強い中で若干でも売り材料が見られるとそこで、一斉に売りが出てくる可能性もありそうです。米国市場が堅調なことや配当取りの動きなどで大きな下落にはなり難いものと思いますが、少なくとも上値の重い展開となりそうです。ハイテク銘柄などで先週大きく上昇となったものは利益確定売りに押されるものも多くなりそうです。

 節目と考えていた上値の水準である10800円から900円水準で目先的な過熱感が強まっており、米国市場は堅調ですが、上値の重い展開となるのではないかと思います。一気に下値節目と考えられる10500円から600円水準まで下落ということはないのでしょうが、上値の重さを確認しながら押し目を試すような動きとなって来るものと思います。配当落ち分を考慮に入れても、引き続き11000円水準をしっかりと抜けて来るのは月が替わってからということになるものと思います。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合議事要旨(2月17・18日分)

◇2月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会)

◇2月の全国コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)

◇2月の米中古住宅販売

◇1月の米FHFA住宅価格指数

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