3連休を控えた週末だが、米国株高や為替の落ち着きに持高調整の買い戻しもあって堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月19日 15時59分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 3月も3週間が終わりましたが、米国の雇用統計もSQ(特別清算指数)算出もそして3連休を控えた週末も特に大きな波乱はなく、結局は堅調となりました。もともと持高調整や持合解消の売りが懸念されていただけで足元の業績回復は期待されていただけに、相場の底堅さが見られたことが、逆に相場を支えることになった面もありそうです。日銀が早々と追加の金融緩和を打ち出していたことで、短期金利の変動などを気にすることもなく、為替も無用の混乱もなく株式市場にプラスに働いたということなのでしょう。

 来週もまだ持高調整の売りが出ないとも限らないのですが、ここまでも持高調整の買戻しと相殺するように売りが出ていたのかもしれません。足元の業績が好調なだけに持高調整の買いが入ると業績回復を好感する買いが入り、値持ちの良さや値動きの良さを見て目先筋の買いが入り、値動きが良くなりますます買いが入るということなのでしょう。市場に対するセンチメント、気持ちだけで株価が、相場が動いたということなのかもしれません。

 こんな風に市場のセンチメントの向きで、過熱感も何も構わずに堅調な相場が続くこともあり、こうした動きを理解するにはやはり市場参加者の顔、「誰が何をやっているのか」をしっかりと把握しておく必要がありそうです。上昇する理由がはっきりとしていたとしても逆にその好材料がなくても、極端に言えば悪材料でさえ、「材料出尽くし」として買われることもあり、要は大きな流れに連れることが多いということであり、大きな流れには抗えないということなのでしょう。

 市場で何が起きているのか、誰が何をしているのかをしっかりと把握し、世の中の流れがどっちに向かっているのかを把握し、そして自分の思惑と違った場合にはすぐに修正できるように、常に大きな流れ、小さな流れを見ておく必要があるということでしょう。1月の高値を付けたときも「まだまだ上がる」と思って高値引けとなった週末金曜日であり、週明けからがらりと相場のセンチメントが変化しました。今回も3連休明けにはもう一度、市場で何が起きているのか、誰が何をしているのかを見てみるのもいいかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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