経済指標や企業業績の改善を受けて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月19日 08時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10779.17△45.50

<NASDAQ>2391.28△2.19

<為替:NY終値>90.4-90.46

経済指標や企業業績の改善を受けて堅調

 朝方発表された消費者物価指数(CPI)がほぼ予想通りとなり、インフレ懸念はなく、新規失業保険申請件数が前週に続き減少したことを好感して買い先行となりました。午前中に発表されたフィラデルフィア連銀景気指数も改善となったことや予想を上回る主力企業の決算や収益見通しが相次いだことで、利益確定売りをこなして堅調となりました。目先的な過熱感は強く、ダウ平均こそ堅調となったもののナスダック指数は小幅高、S&P500指数は小幅安となりました。

 過熱感が強まっているところで、商品市況がユーロ安などを嫌気して軟調となるものが多く、また公定歩合の引き上げの噂もあり、一時軟調となる場面も見られるなど、そろそろ上値も重くなっているようです。ただ、まだインフレ懸念が強まっているわけでもなく、企業業績の回復を織り込む過程であり、目先的な過熱感からの押し目はあるのでしょうが、基調は強含みと見て良いものと思います。欧州金融不安も米国市場への広がりは見られず、「業績相場」に順調に移行しているということなのだと思います。

 個別には前日の引け後に予想を上回る決算を発表したナイキは大幅高、朝方発表した決算が予想を上回り、収益見通しも予想を上回ったフェデックスも堅調、連れてUPSも高くなりました。景気回復を織り込むようにGE(ゼネラル・エレクトリック)やボーイング、デュポンなど景気敏感銘柄も買われました。投資判断の引き上げにも素直な反応となりブロードコムが買われ、インテルは利益確定売りに押されましたが、IBMやアップルなどは堅調となり、原油価格が堅調となったことからエクソン・モービルやシェブロンも堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は過熱感が強い割りに底堅さも見られたのですがギリシャ問題の再燃が報じられ悪材料に敏感に反応する格好で軟調となりました。大幅安に近い下落で前日の上げ分をほぼ打ち消してしまうかのような動きとなり、過熱感を冷ますような展開でした。外国人は買い越しと伝えられたのですが持高調整の売り買いが見られるなかで、悪材料が出ると売りを急ぐ動きとなったものと思います。

 昨日の後場に下げ幅を広げた場面でユーロ安を織り込んだと見れば、米国市場が堅調となっていることや対米ドルでは為替も落ち着いていることから、前日の下落の反動もあり、堅調な展開が期待されます。ただ、米国市場でも過熱感が強まっており、日本市場でも過熱感が強い中で、3連休を控えているということもあり、手仕舞いの売り買いが中心となって来るものと思います。ここまで決算絡みの持高調整の売りが多くは見られておらず、ここでまとまった売りが出てくるのかどうかが気になるところではあります。手仕舞いの買戻しは入るのでしょうが少なくとも積極的に買い上がり難いだけに上値の重い展開となりそうです。

 引き続き、下値10500円から600円、上値は10800円から900円といった水準での動きが続いていると見てもいいものと思います。対ユーロで円高となっており、精密株などの一角が手仕舞い売りや利益確定売りに押されれば、調整気分も強まるものと思います。今日だけを見ると、10700円台での動きが中心となるのではないかと思われ、10800円を超える場面では手仕舞い売りも嵩んで来るものと思います。

本日の注目点

◇2月の全国百貨店売上高(日本百貨店協会)

◇1月の全産業活動指数(経産省)

◇決算・1月期:丹青社(9743)

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