コラム
» 2010年03月19日 08時00分 UPDATE

「目隠し面接」でも面接官は正確に判断できるのか?

話す内容ではなく、見た目や雰囲気で合否が決まってしまうことがあるのが面接試験の特徴。しかし、見た目や雰囲気を採用基準にすることは間違っているのだろうか。「目隠し面接」を例に考えてみた。

[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 仮に面接受験者と面接官の間に仕切りを置いて面接をしたら、仕切りがなかった場合と面接の結果は変わるでしょうか? また、ワイドショーの告発インタビューのように、声まで変えたらどうなるのでしょうか?

 世に“面接のプロ”は多いので、そういう方は「変わらん」と断言されるのかもしれませんが、私は「合否の判断は変わるだろう」と思います。話の内容だけでその人を判断することは、私には無理。目で見えることや、声や雰囲気に大きく影響されてしまいます。

 会った瞬間、多くの面接官は「いい感じ」とか「微妙」とか「難しい」とか結論めいたことが頭に浮かびます。面接でなくても、人は見た瞬間に相手に対するイメージを抱くものですが、面接官は合否の判断をしないといけないので、そのイメージを○△×のような合否に結び付けて考えがちです。

 また、面接の経験を重ねるごとに、見てすぐ「こういうタイプかな……」という直感が生まれてくるようになり、質問はその直感をベースにしたものとなります。良いように言えば、経験豊富な面接官ほど「仮説を立てて、質問によってそれを証明することができる」ということですが、悪く言えば「直感や先入観や思い込みから、逃れにくくなってくる」わけです。

 例えば、面接官の質問に対して、とてもシンプルな返答があった場合、見た目や雰囲気の印象がgoodであれば「端的に表現する力がある」ととらえ、第一印象が良くなければ「ぶっきらぼう。説明能力に欠ける」などと考えてしまうような場合です。こういうのは面接の合否判断として良いのかどうか。「印象に左右されるなんて、面接官の風上にも置けない」と考えるか、「面接官も人間だからしょうがない」と考えるか。そもそも、視覚情報が一切ない状態、背格好や表情や身振り手振りが全く分からない状態でも、合否判断が変わらないのをプロと言うのでしょうか。

 私は「見た目や雰囲気は仕事をする上で大切なことでもあるので、それが面接のジャッジに大きく影響することは何の問題もない」と考えます。話がどの程度相手に伝わるかは、「コンテンツ(内容)」「ストラクチャー(組み立て)」「デリバリー(伝え方)」「プレゼンス(存在感)」の4つで決まると言われますが、面接だって同じことです。伝え方や存在感(話し方や見た目の印象)といった正確に説明することが難しい要素が、面接官の判断に大きく影響するわけです。

 そんなので惑わされていては面接のプロじゃない……のかもしれませんが、多くの面接官の判断力とはそれくらいのものであり、そういういい加減さの中で進路が決まるのが人生だということを認識することも、面接受験者にとっては大切でしょう。(川口雅裕)

 →川口雅裕氏のバックナンバー

関連キーワード

面接 | 人事


Copyright (c) 2017 INSIGHT NOW! All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

ITmedia 総力特集