過去10年で急減した日本の大金持ち誠 Weekly Access Top10(2010年3月6日〜3月12日)

» 2010年03月18日 11時40分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「NGな女性は『おごってもらって当然の態度』、では男性は?」。2位は「こんなモノを身につけてはいけない? 男性のNGグッズとは」、3位は「もう限界かもしれない……“ブラック企業リスト”の実態」だった。

世界長者番付を国別に見ると……

 筆者が気になった記事は「世界長者番付、ビル・ゲイツ氏は2位 GREE田中社長もランクイン」。

 1位のメキシコの「通信王」カルロス・スリム・ヘル氏も、2位のMicrosoftのビル・ゲイツ会長も、もともとある程度の富裕層の生まれなのだが、それでも王族などと違い、一代で大きく資産を伸ばしたということでなかなか夢のある話だと思う。

 ランキングを1000位まで見ると、GREEの田中良和社長のように日本人も多く入っているのだが、100位までを見ると入っているのはわずか2人。柳井正ファーストリテイリング会長兼社長(89位)と佐治信忠サントリーホールディングス社長(93位)のみだ。GDP世界第2位の経済大国としてはちょっと少なすぎるような気がする。

 少し前はもっと日本人がランクインしていたような記憶があるので、約10年前、2000年の世界長者番付のトップ100にランクインしている国籍別人数と比較してみたのが下表だ。

2000年 2009年
米国(37人) 米国(33人)
ドイツ(14人) ロシア(13人)
日本(9人) インド(9人)
イタリア(6人) フランス(5人)
フランス(5人) ドイツ(5人)
香港(5人) メキシコ(4人)
スイス(4人) スウェーデン(4人)
スウェーデン(3人) ブラジル(3人)
トルコ(3人) 香港(3人)
サウジアラビア(2人) サウジアラビア(3人)
インド(2人) イタリア(3人)
台湾(2人) マレーシア(2人)
カナダ(1人) 英国(2人)
メキシコ(1人) チリ(2人)
ブラジル(1人) 日本(2人)
クウェート(1人) カナダ(1人)
英国(1人) スペイン(1人)
マレーシア(1人) スイス(1人)
オランダ(1人) クウェート(1人)
ギリシャ(1人) キプロス(1人)
チェコ(1人)
韓国(1人)

 一見して分かるのが、日本が9人から2人へと激減していること。規制の影響で、消費者金融業界の人が軒並み姿を消しているのが目立っている。また、日本以外にドイツも9人減らしており、実は米国も4人減っている。ただ米国はGoogle創業者のラリー・ペイジ氏やセルゲイ・ブリン氏のような新顔がいるのに対して、日本ではそういった人が登場していないところが残念なところだ(ライブドア元社長の堀江貴文氏は、もし逮捕されていなければランクインしていたかもしれない)。

 一方、存在感を増しているのが、ロシアやインド、メキシコといった新興国の企業家たち。ロシアでは要人が暗殺されたり、政治的な圧力を受けたりと不都合も多いようだが、成り上がる場所としては魅力があると言えそうだ。

 また、2000年と2009年を比較すると、トップ100に入るためのハードルがかなり上がっていることに気付く。2000年の100位は43億ドルだったが、2009年では72億ドルと67%ほど増えているのだ。その間にドル安が進んだこともあるだろうが、世界的な合従連衡の進行やネットの登場などでお金が一極集中しやすいようなシステムが構築されていることも影響しているかもしれない。

 数兆円の世界となると、筆者には桃鉄くらいでしか縁がないように思えたが、51位のBMWの大株主、スザンネ・クラッテン氏のWikipediaの項目を見ると、「BMWでの研修中に知り合った同社の技術者とキッツビュールで結婚した。BMWでは偽名で研修しており、相手の技術者は恋愛関係が深まるまでのあいだ彼女の身分を知らなかった」などと書いてあるので、筆者も玉の輿を狙うべく、偽名の令嬢を探すため、日々精進していこうと決意を新たにしているところだ。

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