ウジウジする前に、ガツガツと働いてみてはどうだろうか相場英雄の時事日想(2/2 ページ)

» 2010年03月18日 08時00分 公開
[相場英雄,Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

オファーは絶対断わるな

 本稿の読者の大半は、一般企業に勤務する若きビジネスパーソンだと推察する。筆者のように、内規を破ってまで外の仕事をしろと勧めているわけではない。ただ、社内の他部署、あるいは取引先の担当者以外とも積極的に関わってほしいと思っているのだ。

 自身の担当外の仕事を垣間みる、あるいは一時的にサポートするだけでも、視野が格段に広がる。筆者の経験した事柄は、メディア・出版業界の特殊なケースだが、一般の事業会社の場合でも、人とのつながりが増え、これが新たな仕事につながると筆者は確信する。

 筆者がここまで述べてきたことは、数値化できるようなものではない。また、絶対に仕事の幅や取引量が増えるような方程式もない。あくまでも心構えであり、抽象的なものだ。が、1つだけ言えるのは他流試合によってもたらされたオファーは絶対断わってはならない、という点だ。

 もちろん、筆者の場合も絶対に執筆不可能な締め切りスケジュールはお断わりする。が、これらの制約がなければ常にオファーを引き受けることにしてきた。なぜなら人と人のつながりが、全く別の仕事を引き寄せてくれるからに他ならない。現在、小説のバックオーダーを数本抱え、漫画原作の連載と新規企画の立案、それに「時事日想」のようなコラムの連載を3本担当している。

 当初はこなせるか心配だったが、これらは杞憂(きゆう)に終わった。時間をやりくりして、なんとか仕事のリズムはつかめるのだ。筆者は原則として「走りながら考える」スタイルを貫き、締め切りを1回も落とすことなく仕事をこなしてきた。最近、新たな人とのつながりを通じ、今まで全く経験したことのない分野からのオファーが届いている。この新規の仕事が順調にこなせるか不安はあるが、走りながら考える予定だ。

 筆者のようなガツガツした仕事スタイルに違和感や嫌悪感を持つ読者がいることは承知している。が、だまされたと思ってガツガツと他流試合に乗り出してほしい。ウジウジと仕事の悩みを抱えていたことがウソのように晴れると筆者は考える。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.