新型オペの増額を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年03月17日 17時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10846.98円 △125.27円
売買高 19億9399万株
日経平均先物 10780円 △110円
売買代金 1兆3465億円
TOPIX 947.43 △9.33
値上がり銘柄 1243銘柄
東証マザーズ指数 432.48 △6.41
値下がり銘柄 308銘柄
日経ジャスダック平均 1251.95円 △13.26円
変わらず 124銘柄
騰落レシオ 128.57% △8.75%

日経平均

新型オペの増額を好感して大幅高

 米国市場が堅調、世界的な懸念材料も払拭され、一段落となったことから、買い先行となりました。日本でも日銀の追加の金融緩和が期待され、寄付きからの買いが一巡した後は上値は重いながらも堅調となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたことや持高調整の売りが目立たないことから買戻しを急ぐ動きもあり、堅調な展開が続きました。

 後場に入ると様子見気分も強まったのですが、日銀の値方オペの増額や金利据え置きが発表されるといったん好感する買いや買戻しを急ぐ動きから大幅高となる場面もありましたが、買戻し一巡後は目先筋の利益確定売りや材料出尽くし感、更に踏み込んだ金融政策を期待した向きの失望売りなどが嵩んで上げ幅縮小となりました。それでも、株価の底堅さが確認され、為替も円安に振れるとハイテク銘柄などを買い直す動きも見られて切り返し、再び大幅高となりました。最後は持高調整の売りが出切ったとは言い難いことや中国やインドの金融引き締め懸念なども残っていることで、買い切れず手仕舞い売りに上値押さえられましたが大幅高となりました。

 小型銘柄は主力銘柄の上値が重くなる場面で、好業績銘柄などが物色されて大幅高となりました。主力銘柄の物色一巡感から小型銘柄が物色された面もあるものと思います。その後主力銘柄が買い直されても堅調な地合いは続き、東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに大幅高となりました。先物はまとまった売り買いは相変わらず散発的に見られるだけで、大きく方向付けるような売り買いの偏りは見られませんでした。配当落ちのヘッジとして買う動きも見られ積極的に相場を牽引するような動きではないのですが、指数を押し上げる要因の一つであったようです。

 大幅高となりましたが、日米欧の材料がひとまず出尽くした感じです。ただ、まだ日本市場では決算を控えた持高調整の売りに対する懸念も残り、米国では物価動向などの指標発表に出口戦略が気になり、欧州でも金融不安が完全に払拭されたわけでもなく、安心するまでにはもう一息ということなのでしょう。加えて、ここまで景気回復を牽引してきた中国、インドといった新興国では金融引き締め懸念が燻り、まだまだ落ち着いて上昇トレンドとなるまではもう少し時間がかかるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 高値圏でのもみ合いを上に放れかけて来たのですがまだ上値の重さが見られます。急上昇となった後だけにRSIもストキャスティックスも高値圏にあり、移動平均線や基準線との乖離も大きく、1月高値に突っかける場面があっても過熱感を冷ますように、一旦は調整となって、10500円〜600円水準での底堅さをためすことになりそうです。

TOPIX

NYダウ

 RSIやストキャスティックスは高値圏にあり、目先的な過熱感が強く1月高値までとどかずに上値が重くなって来ました一旦は転換線や基準線での押し目を確認するような動きとなって来るものと思われ、1月高値を抜けて来るにはまだ時間がかかりそうです。

円相場

NYダウ

 引き続き雲の中で底堅い展開となっていますが上値も重い状況が続いています。RSIもストキャスティックスも今度は下げ足りないような感じでしたが、雲の下限を意識して底堅く、戻りを試す展開となっています。まだしばらくは雲の中での動きと見ておいていいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

円安を好感してハイテク銘柄が高い

エルピーダ(6665) 1776 △28

 2010年3月期業績が市場予想を大きく上回りそうだと新聞で報じられ、業績回復期待が高まり、素直に好感する買いが入り堅調となりました。

三井金(5706) 273 △15

 昨日の引け後に2010年3月期連結業績の見通しを発表、今期3回目の上方修正となったことや期末配当が0円としていたものが2円に引き上げられ、業績拡大を期待する買いが入り大幅高となりました。

DENA(2432) 698000 △67000

 昨日の引け後に2010年3月期の連結業績予想を上方修正、併せて年間配当を従来予想の2倍とする方針を示したことが好感されて買われ、大幅高となりました。

郵 船(9101) 349 △1 、 商船三井(9104) 627 △3

 両社や川崎汽船(9107)など海運株が軒並み軟調となりました。特に売り急ぐ材料があったわけではないのですが、今月に入り、決算に絡む持高調整の買戻しなどが続いて堅調な展開となっていたのですが、買戻し一巡感もあり、利益確定売りに押されて軟調となりましたが、最後は買戻しも見られ底堅い堅調な展開となりました。

日触媒(4114) 824 △21

 化学各社が紙おむつ原料となる吸水性の高い高機能樹脂でアジア市場の開拓を本格化、同社もインドネシアに工場を建設すると新聞で報じられ、好感する買いが入り堅調となりました。

KDDI(9433) 475500 ▼2500

 特に売り材料があったわけではなく同業他社が底堅い堅調な動きであったにもかかわらず軟調となりました。日銀金融政策決定会合の結果待ちの中で、持高調整の売りに押されたものと思われます。

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