超低金利継続、ギリシャ問題も一段落となったことや投資判断の引き上げなどもあって堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月17日 08時41分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10685.98△43.83

<NASDAQ>2378.01△15.80

<為替:NY終値>90.3-90.36

超低金利継続、ギリシャ問題も一段落となったことや投資判断の引き上げなどもあって堅調

 注目されたFOMC(公開市場委員会)ですが、超低金利継続が表明されたことで安心感から買われて堅調となりました。いったん出尽くし感から上げ幅縮小となる場面もあったのですが、いくつかの銘柄に投資判断の引き上げが見られたことやギリシャの格付けが引き下げ方向での見直し対象から除外されたことを好感する動きもあり堅調となりました。超低金利が継続されてギリシャ問題からの金融不安が払拭されるとリスク許容度も上昇、商品市況が上昇したことも株式相場の上昇要因となりました。

 好材料が多かった割には目先的な過熱感が強いことから上値も重くなりましたが、とりあえず世界経済が良い方向に向かっていると見られます。今後、中国やインドの金融引き締めや米国での出口戦略などが取り沙汰され、また、商品市況が大きく上昇となるとインフレ懸念やバブル懸念も出てくるものと思いますが、とりあえずはサブプライム問題からの景気落ち込み、「百年に一度」と言われた不況からの立ち直りは見られたということなのだと思います。

 個別には最高財務責任者が来年の増配を示唆したことや投資判断の引き上げがあり、GE(ゼネラル・エレクトリック)が大幅高、新製品の発表が好感されてインテルが高く、投資判断の引き上げのあったスターバックスや原油価格の上昇を受けてシェブロンやエクソン・モービルが、金価格が上昇したことでパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングが高く、個人消費にも回復が見られることでウォルマートも続伸となりました。ギリシャ問題が一段落となったことで金融不安が遠のき、シティグループやJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカなど金融株も堅調、リスク許容度が上昇して商品市況も高く、アルコアなども高くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は相変わらず方向感のない展開となりました。朝方は売り先行となったものの持高調整の買い戻しなどから堅調となる場面もあり、最後は結局軟調となりましたが、手掛かり難の中、小動きとなりました。外国人買いも入っているようですが主体は持高調整と見られ売り買い交錯となって指数の動きは見られないということのようです。

 米国市場が超低金利継続を受けて堅調となったことから日本市場も日銀金融政策決定会合での追加緩和を前提に堅調な展開となるのではないかと思います。為替の反応も既に追加緩和を織り込んだ動きとなっており、逆に追加緩和がないと円高に振れることになるのでしょうし、株式市場も手仕舞い売り、見切売りに押されることになりそうです。追加緩和となると持高調整の買戻しが加速する可能性もありそうですが、朝から堅調となっていれば逆に出尽くし感から手仕舞い売りや持高調整の売りが嵩む可能性もありそうです。

 引き続き上値は10800円〜900円の節目が目処となりそうで、目先的な過熱感が強いこともあり、その水準まで上昇となるといったんは調整となるものと思います。その水準まで上昇となると調整したとしても下値は10500円から600円の節目では下げ止まるものと思われ、来期以降の業績回復を織り込む格好で中期的には11000円を超えてくることになるのでしょう。

本日の注目点

◇白川日銀総裁会見

◇1月の第3次産業活動指数(経産省)

◇石油輸出国機構(OPEC)総会

◇2月の米卸売物価指数

◇決算・1月期:三井ハイテック(6966)、東京ドーム(9681)

◇決算・6−2月期:アスクル(2678)、ツルハHD(3391)

◇決算・10−12月期:独BMW

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