金融政策を見極める動きで方向感無く小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月16日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 目先的な過熱感や手掛かり難から方向感のない展開となりました。景気回復は確認されつつあり、業績の上振れが期待される銘柄も多いのですが、中国やインドなどでの金融引き締め懸念や日米の金融政策の方向性を見極めたいということで、積極的な売り買いはなく、持高調整の売り買いが中心となったものと思われます。

 チャート分析と言って、チャートの形ばかりにこだわる向きも多いようですが、形を見ることが大切ではなく、何故その形になったのかと考えて次の行動を起こすことが大切なのです。また、同じ形でも中身が全く違えば次の方向も違うことがあり、その中身の違いを知るためにはその前日や次の日の動きを見なければならないケースなどもあり、最後は形を覚えるよりもセンスを磨く方が良いのではないかとさえ思ってしまいます。

 形にこだわるばかりに肝心なところを見落としてしまったり、その形にだまされたりしてしまうのです。もちろん、先のことは誰も分からず、分かっていることといえば過去のことと現在のことなので、その動きから先を見るということは非常に困難を伴うのではないかと思います。中にはコンピューターでローソク足のパターンを分析し、昔から言われている「たくり足」や「三川明けの明星」は当たらない、などと言う人もいます。

 ただ、その考え方は間違ってはいないのですが、先ほど述べたように形は同じでも中身が違うところまで踏み込めていないのだと思います。チャート分析が良く悪口を言われる場合に、「後から見れば誰でも当たる」と言われるものです。実際にチャートを見ながら売買をしていると、「ここを抜けたら『三川』で買いになりそうだ」とか、明日に高値が高ければ「三川になる」のなどと言うようにこーすれば、あーなるというようなことが良くあります。そして、その通りに動くとチャートの分析が「当たった」ことになるのではないかと思います。ニュースでもチャートでもしっかりと中身を見ることが大切なのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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