金融政策を見極める動きで方向感無く小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年03月16日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10721.71円 ▼30.27円
売買高 16億7703万株
日経平均先物 10670円
売買代金 1兆0452億円
TOPIX 938.10 ▼0.81
値上がり銘柄 747銘柄
東証マザーズ指数 426.07 △1.22
値下がり銘柄 738銘柄
日経ジャスダック平均 1238.69円 △5.38円
変わらず 187銘柄
騰落レシオ 119.82% △4.78%

日経平均

金融政策を見極める動きで方向感無く小動き

 米国市場も方向感はなく、日本市場も方向感のない始まりとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたのですが、米国で半導体関連株を中心にハイテク銘柄が売られたことや円高気味となったことから売り先行となったものの、寄り付きの売りが一巡した後は売り急ぐ動きもなく、底堅い展開となりました。ただ、積極的に上値を買い上がる動きや買戻しを急ぐ動きもほとんど見られず、引け際にまとまった買戻しが見られ指数は前場の高値で引けましたが方向感が出るということもありませんでした。

 後場に入るといつもの事ながら方向感のない狭い範囲での動きとなりました。前場の引けに買戻しが出切ってしまったかのように、昼の間に円高となったこともあって売り先行となったものの、為替の動きが止まると、下値を売り急ぐもなく、引き続き小動きとなりました。日銀の金融政策決定会合、米FOMC(公開市場委員会)や中国の金融引き締め懸念に期末の持ち合いや持高調整の動きが懸念されて手を出し難いということなのでしょう。

 小型銘柄も小動きでしたが堅調となりました。個別の材料に反応しながらも期末の配当狙いの動きや逆に手仕舞い売りなどが交錯して大きく方向感が出るということもありませんでした。先物もまとまった売り買いは散発的に見られたものの、売り買い大きく偏ることもなく、相場を牽引するような動きはありませんでした。期末の持高調整の中で先物を買ったり、売ったりしているという動きは見られるのですが、大きく持ち高を偏らせるような動きは見られませんでした。

 EU各国がギリシャの支援で合意したと言うニュースもあったのですが、特に影響はなく、日銀の金融政策決定会合や米FOMC(公開市場委員会)、中国やインドの金融引き締め懸念などが強弱感を対立させる形となって、市場の方向感が見られません。先行きに対してそれほど悲観的な見方は少なくなったものと思われますが、ちょっと為替が円高に振れると「水鳥の羽音に驚いて慌てふためく」よな動きになるのではないかなどと懸念されることが気になって積極的に買えないということなのでしょう、まだ持高調整の売りがここから出てくる可能性もあり買えないということもあり、また、まだ押し目があるかもしれないと言って買えないということもあるのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 高値圏でのもみ合いとなっています。移動平均線や基準線からの乖離も依然として大きく、RSIも高値圏にあり、ストキャスティックスは高値圏からの調整を示唆しており、いったん押し目を試すような動きとなって来るのではないかと思います。先週末に空けた「窓」を埋めるところ(10500円〜600円水準)まで調整となって来るのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 日経平均のように「窓」こそ空けていないものの、高値圏でのもみ合い、RSIは上値余地もあるのですが、ストキャスティックスも高値圏にあり、目先的な過熱感は否めません。上値の重い展開が続き上値の重さを嫌気するように上昇してくる基準線を意識するようなところまで調整となる可能性もありそうです。

円相場

NYダウ

 引き続き雲の中で底堅い展開となっていますが上値も重い状況が続いています。RSIもストキャスティックスも今度は下げ足りないような感じでしたが、雲の下限を意識して底堅く、戻りを試す展開となっています。まだしばらくは雲の中での動きと見ておいていいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

引き続き持高調整の売り買いが中心

ABC マート(2670) 3030 △37

 昨日の大引け後、発行済み株式数の9.96%の自己株式を消却すると発表、資本効率の向上と株主利益の増進を図ることが目的とされ、好感する買いが入り堅調となりました。

日立線(5812) 264 △5

 普及拡大が見込められるデータセンターを省電力化する技術を開発した、と新聞で報じられたことや昨日の引け後に子会社の経営合理化施策を発表したことが好感されて堅調となりました。

カシオ(6952) 715 ▼6

 昨日の引け後に2010年3月期の年間配当を前期より8円減配すると発表、2期連続して最終赤字となることなどもあり、嫌気する売りに押されて軟調となりました。

コマツ(6301) 1889 ▼23

 中国の建設機械市場か拡大することで、2011年3月期連結営業利益が2010年3月期の会社計画に比べ40%以上の増益になると新聞で報じられましたが、中国での金融引き締め懸念もあって材料視されずに売り先行となりました。

NECエレ(6723) 933 △50

 4月のルネサステクノロジとの経営統合以降、次の構造改革に踏む込むと想定され、構造改革効果が想定以上になる可能性があるとして外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げ、好感する買いが入り大幅高となりました。

サンリオ(8136) 809 △19

 昨日の引け後に2010年3月期の連結決算で最終損益が従来予想から上振れしそうだと発表、素直に好感する買いが入り堅調となりました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.