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» 2010年03月16日 08時00分 UPDATE

-コデラ的-Slow-Life-:FUJI「TW-3」の電池交換

銀座松屋で開かれた「世界の中古カメラ市」で手に入れた、FUJIのレンズ切り替え式ハーフカメラ「TW-3」。バッテリー切れだったが、内蔵電池を交換すると動くようになった。

[小寺信良,Business Media 誠]

 前回は「TW-3がいかに変か」ということだけでほとんど終わってしまった。しかしいかにスペックが変でも、動かないことには仕方がない。ネットでの情報を頼りに、内蔵電池を交換してみることにした。

 →日本が誇る“変”カメラ、FUJI「TW-3」

 電池は裏ブタと一体化しているグリップ内部にある。まずはヒンジを外し、カメラ部と裏ブタを分離する。別に分離しなくても作業はできるのだが、簡単に外れるようなヒンジになっている。おそらくメーカーでの電池交換時の便宜を図った設計ということだろう。

ah_IMG2149.jpg 裏ブタの空き方はかなり大胆

 電池格納部はネジ2本でとまっているが、フタ部分が外皮でカバーされているので、これもはがす必要がある。中にある電池は、太さも長さも特殊なリチウム電池である。実は中は2つの電池が連結されており、サイズ的にも電圧的にも、現行品であるCR123Aとほぼ同じであることが分かっている。

ah_DSC01583.jpg 内蔵電池はこんな感じ
ah_DSC01586.jpg 中にはCR123A相当のものが2つ

 なお電池の両端は、接点に直接端子が圧着されており、そこにシールド線がハンダ付けしてあるという構造である。ユーザーが自分で電池を交換することは、最初から考慮に入っていないことが分かる。プラス側には温度センサーが付けられている。電池が異常に高温になった場合には、通電が切れるようになっている。

 この端子はそのまま利用できるが、これをハンダゴテで溶かして取ろうとしてはいけない。バッテリーを高温にさらすと、いつ破裂するか分からないからである。単に2点で圧着されているだけなので、ラジオペンチなどを使って引っぱってはがす方がいい。

ah_DSC01588.jpg 圧着の端子を引きはがす

電池交換で難なく復活

 交換電池CR123Aは、コンビニなどでも売っているカメラ用のリチウム電池である。これを2つ直列につなぎ、間をビニールテープで留める。接点の端子は圧着する道具など持っていないので、そのまま2回ほど折りたたんで厚みを出し、電池ボックス部にきつめに入るようにする。

 マイナス側は少し接点がへこんでいるので、古い電池のジョイント部分に入っていたスペーサーを端子の上からかぶせ、接点を固定した。

ah_DSC01594.jpg 端子は折りたたんでそのまま利用。スペーサーを詰めもの代わりにする

 そのほかの問題点といえば、裏側からフィルムの有無を確認するための小窓があるのだが、その周りのモルトが腐食していたこと。これも全部はがして、張り直しである。

ah_DSC01587.jpg フィルム窓周囲のモルトは腐食してカビが生えている

 フタと外装を元通りに戻し、テストフィルムを入れてみると、ジャーッと音がして、どんどんフィルムが巻き上げられる。何事かと思ったが、調べてみるとこれが正常な動作だそうである。フィルムを入れるとまず始めに全部フィルムを引っ張り出し、撮影時に1枚ずつ巻き戻していくというプリワインディング方式なのだそうだ。

 「そんなことをして何のメリットがあるのか」と考えてみたが、最初の巻き上げ時にフィルムの長さをカウントするので、残量表示が正確である。また、撮った部分がフィルムのパトローネに入っていくので、うっかり裏ブタが開いても、すでに撮影したコマは、直前の1〜2枚を除けば助かるわけである。コンパクトカメラにはプリワインディングのものが多かったそうだが、電池を使うカメラはほとんど使ってこなかったので知らなかった。

 シャッターを押すと、1枚撮影された後、1枚分フィルムが巻き戻される。ハーフなので、27枚撮りを入れれば54枚も撮れる。この経済性とフィルム戻しの短さを生かして連写も可能だ。シャッターの横にあるCボタンを押しながら、シャッターを押すと連写である。こんな狭い間に指2本も入らないから、人差し指の先でCボタンを押しておいて、指の腹でシャッターを押すことになる。ただし、秒2コマ程度しか撮れないので、今のデジタルカメラとは比べるまでもない。

ah_IMG2141.jpg Cボタンを押しながらシャッターを押すと、連写できる

 カウンターが0になるまで撮影すると、自動的に全部フィルムが巻き戻される。また途中で巻き戻したいときは、フィルムカウンターの下にあるRスイッチをとがったもので押すと、その場で全部巻き戻される。うっかり押してしまわないよう、押しづらくしてあるのだろう。

小寺 信良

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映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作はITmedia +D LifeStyleでのコラムをまとめた「メディア進化社会」(洋泉社 amazonで購入)。


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